ゼカリヤ書 第1〜5章研究解読



第1章1節 第1章8〜17節 第1章18〜19節



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第1章1節

1節 ダリヨスの第二年の八月に、主の言葉がイドの子ベレキヤの子である預言者ゼカリヤに臨んだ。


 ゼカリヤは、予言者イドの子ベレキヤの息子であると書かれています。イドは、シャルテルの子ゼルバベルに同行してバビロン補囚から帰国した「祭司レビ人」のひとりです(ネヘミヤ12章1節、4,7節)。聖書を勉強する人の中には、ゼカリヤを新約聖書に出てくる「ザカリヤ(マタイ23章35節、ルカ11章50節)」と混同する人がいますが、この二人は別人です。




第1章8〜17節


 これは、ゼカリヤが受けた7つの示現の最初です。これらの次元が与えられたきっかけは、帰還した流浪民に焦燥感が募っていたことです。彼らはの実在についても、自分たちの努力や苦労を神が見ていることについても、何もしるしが与えられませんでした。ハガイは、「しばらくして神は地を震わせ、神の家を栄光で満たす(ハガイ書2章6〜7節)」と、民にはっきりと告げています。しかしいくら待ってもその兆候はなく、人々は神への信仰を失い始めました。ゼカリヤのこれらの示現は、最も大きな危機にあたって与えられたものです。

 同郷の民にとって、それは神のすばらしい摂理と民への愛を表わす希望のパノラマと言えるでしょう。
最初の示現は、神が状況をことごとく知っていることを民に保証しています。神の使者たちは地上の各地から王に知らせをもたらしており、その注意も怠りはありません。



8節 「わたしは夜、見ていると、ひとりの人が赤馬に乗って、谷間にあるミルトスの木の中に立ち、その後ろに赤馬、栗毛の馬、白馬がいた。


 赤馬に乗っているひとりの人は天使と言われており、谷間のこの場面で、彼は神の民の守護者です。神の思惑が、天の使いたちの色により、それぞれ違った見地から示されています。赤は戦いと流血を表わし(黙示録6章4節)、白は勝利と平和(黙示録6章2節)、栗毛は戦争が終わった後にその余波を受けた不安定な混乱状態(黙示録6章5〜8節)を表わしています。



9節 その時わたしが『わが主よ、これらはなんですか』と尋ねると、わたしと語る天の使いは言った、『これがなんであるか、あなたに示しましょう』。
10節 すると、ミルトスの木の中に立っている人が答えて、『これらは地を見回らせるために、主がつかわされた者です』と言うと、。
11節 彼らは答えて、ミルトスの中に立っている主の使いに言った、『われわれは地を見回ったが、全地はすべて平穏です。


 神から遣わされた騎士たちはいまや帰って、地は何ら動いても震えてもおらず、全世界は静まり返っていると報告しています。しかしこの説明から、騎士たちの遣わされた目的が、単に地上の状態について情報を得て神に伝えることだけであったと結論するのは間違いです。もしそのためだけであれば、偵察する必要も、違った色の馬に乗ることも無意味なことになります。


彼らの使命は、もし少しでも諸国に騒乱があれば、乗った馬の色によって神が定めた結末へ導くことでした。


 すなわち黙示録第6章に語られているように、赤い馬に乗った人たちは戦争と流血、栗毛の馬の人たちは飢きん、疫病、その他の災難、そして白い馬に乗った人たちは勝利と神による世界の統治です。



12節 すると主の使いは言った、『万軍の主よ、あなたは、いつまでエルサレムとユダの町々とを、あわれんで下さらないのですかあなたはお怒りになって、すでに七十年になりました』。
13節 主はわたしと語る天の使いに、ねんごろな慰めの言葉をもって答えられた。
14節 そこで、わたしと語る天の使いは言った、『あなたは呼ばわって言いなさい。万軍の主はこう仰せられます、わたしはエルサレムのため、シオンのため、大いなるねたみを起し、
15節 安らかにいる国々の民に対して、大いに怒る。なぜなら、わたしが少しばかり怒ったのに、彼らは、大いにこれを悩ましたからであると。
16節 それゆえ、主はこう仰せられます、わたしはあわれみをもってエルサレムに帰る。わたしの家はその中に建てられ、測りなわはエルサレムに張られると、万軍の主は仰せられます。
17節 あなたはまた呼ばわって言いなさい。万軍の主はこう仰せられます、わが町は再び良い物で満ちあふれ、主は再びシオンを慰め、再びエルサレムを選ぶ』と」。


 ユダ王ゼデキヤの時代の、バビロニア人による恐ろしい滅亡以来、エルサレムは70年間荒廃していました。ゼカリヤはユダの地が再び栄える日のことの予言をしました。国のそこかしこに町が建てられ、エルサレムは再建されて神殿を飾り、神はその民とエルサレムを受け入れるというものです。これは両義性を持つ予言と言えるでしょう。エルサレムはゼルバベルエズラネヘミヤの下で再建されて、再びユダヤ人の国の首都となりました。しかし、紀元70年にはローマがエルサレムとユダヤ人国家を滅ぼしてしまいます。そしてようやく1948年になって、イスラエルが再び独立国家となったとき、エルサレムは再度ユダヤ人の政治の中心地となります。


1949年11月13日にイスラエル政府は、「エルサレムはこれより以降イスラエルの永遠の首都である」と宣言して、この両義性予言は成就しています。


 しかし注意しなければならない事があります。確かにイスラエルは国として再建はしましたが、神に油注がれた者の預言や導きによって建てられたわけではないことです。預言者は国が建てられるのは見ました。あるいは神の使いによって知らされたのでしょう。しかしそれはただ「建てられる」と告げられただけであって、イスラエル人の集合というには疑問点ばかりです。それは白人系ユダヤ人と血統的ユダヤ人とでは明らかな差別があるからです。この点に注目した数々の研究者の人々も同様な見方をしてきました。ユダヤ関連の書籍を見れば多くの証拠や証言がみられることでしょう。

 ヨーロッパに住んでいた多くのユダヤ人たちは「同じユダヤ人であるはずの富豪たちの思惑によって」住んでいる所を追われ、遠いパレスチナの地にやってきました。その中の人の何人かは言うでしょう、「元々ここは我々の先祖が受け継いだ土地であるから、返してもらうのだ」。しかしよく考えて頂きたい。彼らの先祖はその悪い行い故に受け継ぎの地を失ってしまっているのです。彼らが世界中に散らされたのは、周辺諸国よりも邪悪になってしまったからであり、土地はイスラエルから取り上げられました。それは神の裁きが下ってしまったからです。それとも彼らの中にゼカリヤのような預言者がたてられて、受け継ぎの地を返すとでも言われたのでしょうか。

 では邪悪になったとはどのような状態を言うのでしょうか。土地を取り上げられるほどの悪い行いとは何であるか考えてみましょう。
 それは預言者の言葉をないがしろにしたばかりか彼らを撃ち殺し、彼らに与えられた律法に従わなかったからです。異教の神を神とし、盗み、騙し、忌まわしい行い、殺人など目を背けたくなるほどの行いがイスラエルの中にあったからと言えるでしょう。それでなくしてどうして神自らが与えるとまで言った受け継ぎの地からイスラエルの民を放逐するのでしょうか。

 終わりの日に近くなるとイスラエルは建てられるとは上記の預言の通りですが、今現在のイスラエルが「わが町は再び良い物で満ちあふれ、主は再びシオンを慰め、再びエルサレムを選ぶと言われたイスラエルではないでしょう。この点に注意して現在のイスラエル建国の隠された事実を探し当ててください。




第1章18〜19節
18節 わたしが目を上げて見ていると、見よ、四つの角があった。
19節 わたしと語る天の使い「これらはなんですか」と言うと、彼は答えて言った、「これらはユダ、イスラエルおよびエルサレムを散らした角です」。


 角とはダニエル第8章20節などに権力の象徴として表されているものです。ここに記されている角は、敵意を持ってユダに挑み、害を及ぼす世の勢力を象徴して描かれています。四つ同時に見えている角は、連続する国々を表しているのでしょう。これはダニエル書第2章および第7章の示現において明瞭に示されていました。ダニエル書には、ネブカデネザルが夢の中で見た巨大な像(第2章)だけではなく、ダニエル自信が見た4つの獣も登場します。同時に海から上がってきたその4つの獣は、次々に興隆する4つの帝国を象徴しています。示現に出てくる4つの角は、4つの帝国をそのまま指し示しています。

 ゼカリヤはこれらの国々の全盛期を見たと考えてみましょう。その国々は神の民を抑圧し、虐げてきました。しかしその国々はそのため自らに滅びを招いてしまいます。

 この預言にどの国が該当するのかは、多くの学者や研究者の注目を集めるものですが、明らかになっているわけではありません。イスラエルの散乱に関係した過去の帝国を言っているとすれば、アッスリヤ、バビロニア、ペルシア、メデアです。しかしゼカリヤがダニエルのように将来のことも見ていたとするのならば、4つの帝国はアッスリヤ、バビロニア、ギリシア、ローマとなります。この場合ペルシアとメデアは帰還に貢献したと見れるので除外します。ゼカリヤは紀元前520年頃の預言者と言われている説から考えると、角に当たる大きな国はこの後に起こるマケドニア、あるいはプトレマイオスやセレウコスなどが挙げられます。



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