ヨナ書 研究解読



第1章1節 第1章17節



ヨナ書 旧約聖書 HOME




2000/ 8/25  第1章1節、第1章17節 UP



第1章1節

1節 主の言葉がアミッタイの子ヨナに臨んで言った、


 ヨナの名前の意味は「鳩」で、父の名は「正直」という意味です。ヨナはヤラベアムの統治の時代に生きていたので、おおよそ紀元前788年頃の人と思われます。ヨナについては、人が思うほどどんな人物かは知られてはいません。しかし、聖書中には彼よりも知られていない預言者たちもいます。旧約聖書でヨナについて述べているのは列王紀上14章25節で、イスラエル王ヤラベアム2世が「ハマテの入口からアラバの海まで、イスラエルの領域を回復した。イスラエルの神、主がガテへペルのアミッタイの子である、そのしもべ預言者ヨナによって言われた言葉のとおりである」と書かれてあって、これゆえにヨナが歴史上の人物で、預言者として働いていたと言えます。

 ヨナの故郷であるガタヘペルは、ヨシュア記19章10〜13節によれば、ゼブルンの部族の領地に属しており、修道院の言い伝えでは、ナザレの3マイルほど北西にある現在のアラブのエル・メシェドという村と同じと言われています。そこにはネピ・ユヌス、すなわち預言者ヨナのものであるイスラム教の多くの墓の1つがあるとも言われています。紀元400年頃の聖職者である聖ヒエロニムスも、ガテヘペルはセッフォリスからテベリヤに向かって2ローママイルの所にあると語っています。

 ヨナもイエスもガリラヤの出身であり、新約聖書のヨナの話は一部の学者が主張するような寓話ではなく、事実であると言われます。そのことは、列王記下14章25節と新約聖書の3ヶ所、マタイ12章39〜41節、16章4節、ルカ11章29〜30節で明らかになっています。




第1章17節

17節 主は大いなる魚を備えて、ヨナをのませられた。ヨナは三日三夜その魚の腹の中にいた。


 ヨナが「大いなる魚」に呑み込まれた話は、多くの論争と嘲笑の的となっており、この節を根拠に、ヨナ書は真実ではなく単なるたとえ話だとされています。これについてある教会指導者は次のように述べました。

 「わたしたちは不可能なことだからといってヨナの話を受けつけず、主がヨナを呑み込む魚か鯨を用意することはおできにならなかったと言うことができるだろうか。主は確かに天に座し、あざける者の浅知恵を笑っておられる。そして突然、問題になっている奇跡を繰り返して起したり、それより遥かに大きな奇跡を起したりして愚かな者にこたえられる。わたしはウィリアム・J・ブライアント氏と同じようにヨナの話を信じている。わたしがそう信じている第一の理由は、それが「聖書」に記録されているからでも、同様のことが今日に起こったからでもない。それはわたしたちの主イエス・キリストが信じられたからである。

 ユダヤ人は主が神の御子であることを示すしるしを求めた。主は1つ与えられたが、それは彼らの期待したものではなかった。当時の嘲る者たちは、主が力強い業をされたにもかかわらず、自らの罪のために信じることができなかった。『彼らに答えて言われた、「邪悪で不義な時代は、しるしを求める。しかし、預言者ヨナのしるしのほかには、なんのしるしも与えられないであろう。すなわち、ヨナが三日三晩、大魚の腹に中にいたように、人の子も三日三晩、地の中にいるであろう。」』」

 ヨナ書で使われたヘブライ語の「taneen」も、新約聖書に使われた「katos」も、巨大な海の生物を表わす語です。サメは地中海のどこにでも見られ、人の体を呑み込むほど大きな口をしていますが、何か他の大きな魚類の可能性もあるでしょう。


この出来事が奇跡的なのは、ヨナが丸ごと呑み込まれたこととあわせて、大魚の中で3日間も消化されずに生き延びたという事実です。



TOP ヨナ書 旧約聖書 HOME



inserted by FC2 system