チェルノブイリ





爆発事故 キュリー 死の灰

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2004/ 2/ 4  死の灰 UP
2004/ 1/12  爆発事故 UP
2004/ 1/10  キュリー UP
2003/12/30  序文 UP


 聖書学上において 「ニガヨモギ」とは、近年その正体が具現化されたと言われており、それはチェルノブイリとはロシア語で「ニガヨモギ」を意味しているからです。新約聖書ヨハネの黙示録第8章11節にはこのように書かれてあります。

「この星の名は『苦よもぎ』と言い、水の三分の一が『苦よもぎ』のように苦くなった。水が苦くなったので、そのために多くの人が死んだ」

 聖書における実際の意味は、もっと広範囲の様々な物質を指していますが、ここでは1986年4月26日午前1時23分に起きたチェルノブイリ原発事故について検証してみます。事故後、いろいろな書籍が発売されました。その中で「まともに」事実に向き合っている「良書」は多いとは言えません。少ないながらも、その良書の一つを出版している広瀬氏の著作から引用していきたいと思います。このHPをご覧になって下さっている方々にはお馴染みの方でしょう。数々の悪事を表面に出そうとしておられる反面、多くの妨害に遭いながらも次々と書籍を発表してきました。その妨害のおかげなのか、私が思っているほどの知名度は残念ながら今だに低いままです。強烈な事実を現実視したくないがあまり、目を背けてしまう人々が多いのでしょう。

 そのような人は哀れに思います。なぜなら人々の痛みを知らなければ 「良いことをすることができない」と私は考えるからです。もうじき2004年になりますが、この時点でも広瀬氏の著作を紹介したり、彼の説を取り入れて公表しているHPは、その全体数から見ても極わずかです。なぜでしょうか?。別に彼は「悪いこと」をしているわけではありません。自分の集めたデータを基に 「事実」を語っているだけです。当然その中には推論もあることでしょうが、決してあてずっぽうで言っているわけではないのです。なのに支持者が少ない。いつの時代でも真実を語る者は中傷、誹謗、誤解、無視、ひどくなれば攻撃などのひどい目に遭ってきました。でも古代の予言者と言われる人や、洞察力の優れた指導者や知識人たちは絶えず世の中に 「警告」を発し、なんとか人々を厄災から守ろうとしてきましたが、その多くは闇に葬られています。

 昔は本を手に入れる事はなかなか難しいことでした。お金がない人が多かったのも原因の一つですが、文字を読める人が少なかったというのが一番の原因でしょう。ですが今はインターネットというものがあります。現代教育のおかげで読み書きができる人が増え、本屋はもとより中古の本屋さんが増えました。昔よりは経済状態も良くなり、ある程度の収入があれば買えない本などないはずです。しかし、多くの情報が手に入れられると同時に、「正確」なものを知ることは難しくなってきました。では、ある出来事が起きた場合どのような見方をすれば、正確なものを手にすることができるのでしょうか。それは特に難しいものではありません。


人の流れと金の流れが悪事を生む


 これが大前提となります。人の流れというのは 「系図」や「系譜」のことです。意外だと思われる方は、フランスのシラク大統領が誰と結婚しているかを人名年鑑等でお調べになるとよいでしょう。おそらく知らない名前と系譜が出てくるでしょうが、それをまた調べて下さい。ある企業や政治家の名前が出たりすることでしょう。これはシラク大統領だけに言えることではなく、全世界の政治家、大企業に当てはまることです。その業績を見れば、どれほどの詐欺師と偽善者が世界を動かしているのか不安になりはしないでしょうか。それらの悪人たちはほぼ全世界に散り、文字通り 「苦よもぎ」となって地球上にばらまかれています。







爆発事故


 1986年4月26日午前1時23分、旧ソ連ウクライナ地方チェルノブイリにあるレーニン原子力発電所で起きてはならない事故が起こりました。原発事故は先進各国で頻発していましたが、このチェルノブイリ原子力発電所は、世界で最も安全な原発としてソ連が世界に誇るものでした。安全装置が働く間もなく、わずか4秒という短時間での爆発のため、多くの職員が瞬時に亡くなりました。しかし、撒き散らした放射能物質は膨大で遠く離れているはずの日本でも検知されるほどです。2004年の現在ではもう忘れてしまった人や、初めて聞く若い人も多くなってきたことでしょう。ですが、放射性物質による生物への影響は、爆心地に近い場所ではない限りすぐに現れるものではありません。10年、20年、いやもっと長い間かけて初めてその症状が表面化してきます。

 おおよそですが、被爆後2年ほどで白血病、10〜15年ほどで甲状腺障害、20年も経つと膀胱がんやその他臓器のガン、30年が経ってしまうと手足を切断しなければ生きていけない人が出てきます。

 ヨーロッパには5億人といわれるたいへん多くの人々が住んでいます。その隣のソ連で、核爆発と言っても遜色のない事故が起こりました。しかもソ連の西部一体は、人口が非常に多く集まっている所です。ウクライナには巨大な穀倉地帯や、350万人の大都市キエフがあり、チェルノブイリはキエフの北130キロほどの所にあります。この大きな街は、もともとロシア民族が最初に建設した国家があったことからわかるように、この辺りが、人口3億人を数えるソ連の民族にとっても、一番肥沃で重要な地域でした。そのど真中で、世界最大、史上最悪の危険な事故が起こってしまいました。

 4月29日、事故から3日後の記事では、「ソ連で原発事故か」という見出しや、「北欧に強い放射能」 「大気からコバルト検出」などと書かれてあり、さらに5月2日には、事故が起こってからほぼ1週間後に、北欧のスウェーデンに関するこのような記事が出ました。「ルテニウム、セリウム、ネプツニウムといった非揮発性の物質の割合が驚くほど高かった」。あまり聞きなれない名前ですが、これらの物質はこの重大事故の大事な鍵を握っています。

 水は0度になると氷から水、固体から液体になります。これを融点と呼んでいます。さらに熱を加えていくと、ぐつぐつと煮立って湯気になります。これは水が気体になっていっていることを示しており、100度で沸騰し水蒸気になります。この原理を先ほどの「非揮発性物質」にあてはめて考えると、今度の事故がどれほどの事故であったかということをかなり詳しく推測することができます。それはというと、北欧で検出されたルテニウム、セリウム、ネプツニウムがガスとなって空高く飛んで、上空の風に乗って運ばれて行ったからです。「非揮発性」とあるからには100度やそこらの温度ではありません。

 原子炉の中には燃料棒と言われる物があって、当然ながら放射性物質でできています。事故の第1報ではコバルト60が出たとされていますが、このコバルト60は核分裂によってできた 「死の灰」ではなく、中性子という粒子を吸った危険な放射性物質です。これが北欧まで飛んで観測されました。コバルトというのは鉄の仲間です。鉄が水のような液体になるのは1500度ほどで、さらに蒸気になる温度は測定方法によって違いがありますが、大体2730度です。この温度は、普通に生活するレベルでは決して到達することができないほどの高温です。ではコバルトはというと、鉄の仲間ですのでやはり高温になり、融点は1492度、沸点は3185度という高温です。

 では第一報で出た北欧でのコバルト検出がもし正しければ、沸点である3185度を軽く上回り、ガス状になって高空まで到達したということが考えられます。それと同じくセリウムの気体になる温度は3500度、ルテニウムは3700度、金属便覧によるとルテニウムは4900度となっています。別の考えではこのルテニウムが酸素と結合して酸化ルテニウムになったため、2500度くらいの沸点でガスになった可能性がありますが、チェルノブイリの原子炉はグラファイトという炭素でできていたので、周りの酸素を使ってどんどん燃えていきました。急激な酸素減の結果、ルテニウムが酸素と結びつくのは困難であるとも考えられるので、やはりルテニウムは4000〜5000度という高温で蒸発したと推測できるでしょう。

 それにこの金属は白金の仲間なので比重が非常に重く、上空に上がっても緯度の高い地域ですので空気はかなり冷たく、すぐに落ちてくるはずなのに、はるか1000キロも離れたスウェーデンで大量に見つかっています。またルテニウムよりも比重の重い20.5のネプツニウムも北欧や当時の西ドイツで観測されました。これらは金属の沸点をゆうに超える5000度もの温度が生じた証拠のひとつとなり、また恐怖でもあります。原子炉の燃料パイプには、このようなものだけでなく、恐ろしい物質がいくつも「死の灰」として含まれます。例えばストロンチウム90などはこのような高温化だと瞬時に気化してしまい、これは日本でも検出されました。ストロンチウムはカルシウムと性質が似ているので人体に入ると骨髄を犯して白血病を起こし、セシウムは筋肉入り込んで肉腫を起こします。セシウムは牛肉などにも入り込みます。

 そして事故直後、ヨーロッパで母親達が薬局に駆け込んで買い求めたのはヨウ素を含んでいるヨード剤です。放射性物質に変化したヨウ素は、喉にある甲状腺にガンや腫瘍を造ってしまうもので、ホルモンの分泌が異常になり、発育期の人間に大きな影響を与えてしまいます。このような危険物質は、ストロンチウムで1600度、セシウムは760度、ヨウ素は185度でガスになります。セリウムやルテニウムがガスとなって上空に吹き上げられるくらいですから、これらの比較的低い温度でガスになる物質は、ほとんど爆発的にガスとなって飛び出していったでしょう。この事故は「爆発事故」ですから文字通り危険な放射性物質が爆発状態で吹き飛んでいったことがわかります。この時点で放出されたガスは2億キュリーはあったと言われています。また、もとから気体状態であった危険物質のクリプトンやキセノンの他、200種類以上の死の灰の合計は10億キュリー以上と計算されました。

 このような高温状態を引き起こした爆発事故では、さらに事故を誘発していきます。原子炉は基本的に鉄筋鉄骨コンクリート建築物なので、3000度や4000度という高温には耐えることができません。先に記したとおり、鉄筋の鉄は2730度で蒸発してしまいます。コンクリートでさえも3000度には耐えられません。その他に原子炉の中にあった金属は一部は高温で蒸発し始めると共に、その重量によって下へ下へと流れ落ちていきます。この現象は、溶けて落ちてくるので「メルトダウン」と呼ばれます。さらにひどくなると原子炉全体が溶け崩れて地面に穴をあけてしまいます。

 ルテニウムが北欧で大量に検知されたということだけで、これだけの「事実」が導き出されます。

 さて、原子炉が熱によって崩壊を始めると、地面につく前に地下に設置してある巨大なプールにぶつかることになります。このような高温の物質が大量に水に触れてしまうと、水は瞬時に酸素と水素に分解してしまい、またその高温物質の熱で水が生成される「水蒸気爆発」を起こします。実際の現場では起きませんでしたが、これが起きれば隣の3号炉も爆発していたことでしょう。確認はされていませんが、メルトダウンが生じたのに水蒸気爆発が起きなかったので、死を覚悟したダイバーがプールの水を抜いたのかもしれません。原子炉下部の汚染は、この下にトンネルを掘り、コンクリートで防護壁を作って大汚染を食い止めているという状態でした。

 では、チェルノブイリ原発はすぐに鎮火したのでしょうか。この事故から1ヶ月も後に再び火災が発生しました。その原因は核物質の崩壊熱によるものです。6月12日の記事では、ソ連の北隣にあるフィンランドで、事故直後の4倍もの異常放射能が検出されました。火災よりも恐ろしい放射能の噴出が全く止まっていません。事故直後、ソ連は超高温の火災をなんとか鎮火させるために、ヘリコプターを飛ばして空から砂やセメント、鉛やホウ素などをメチャクチャにばらまきました。これも消火隊にとっては決死の覚悟が必要だったはずです。なぜなら、調査に向かったヘリコプターが、火災の上昇気流に巻き込まれて墜落しているからです。ともかく火事を消すために蓋をしてしまおうとしたのか、大量のセメントを使いました。

 しかし、坩堝状態の容器に蓋をしてしまえば爆発してしまいます。実際はなんとかふさぎはしたものの、高熱でひび割れてそこから放射性ガスが熱気流となって上空に吹き上げられたままになっていたのでしょう。ですが、この状態が続くともっと恐ろしいことになってしまいます。ソ連の報告書によると、「自発性連鎖反応が発生するという潜在的な可能性があるため・・・」 と書かれてありました。つまり、何もしなくても勝手に核爆発が起きるということです。というのも、原発の燃料の一部であるプルトニウムは、5キログラム以上集めてしまうと自分で核爆発を起こしてしまうという、非常に恐ろしい性質を持っているからです。プルトニウムは非常に重い元素の内の一つなので、メルトダウンした原子炉の中で一箇所に凝縮される可能性があります。

 この現象は実際にアメリカのハンフォード再処理工場で起きていました。チェルノブイリ原発事故の5ヵ月後のことです。他にもフランスのラ・アーグ工場でも同様の事が起こっています。どちらも核爆発までには至りませんでしたが、1957年にソ連のウラルでは、核廃棄物の中のプルトニウムが勝手に原爆に成長し、こちらは本当に爆発してしまい、現在でもこの地域は無人地帯が広がっています。

 事故後数ヶ月を経ても放射性ガスを撒き散らすソ連は、「密封工事がセメント不足のため遅れている」などというくだらない嘘を発表してきた裏で、恐ろしい事をしていました。当然ながらこの工事は死の危険が伴うもので、事情を知らされていない人がマスクもなしに即死にも近い超危険地帯で働かされていました。この人たちは遠くフィンランドから連れて来られたエストニア人と言われています。このエストニア人は数百人もおり、10月には彼らもようやく危険地帯であることに気づき始めて抵抗しましたが、12人が射殺されてしまいました。彼らだけではなく、おそらく囚人なども働かされていたでしょう。

 その後の報道は極めて簡素なものです。8月27日付の読売新聞が、「4号炉なお”るつぼ”状態」という記事を発表してからは、ほとんど取り上げられることがなくなりました。現在は2004年となり、事故から18年経ちましたが、セシウム137の半減期は30年、ストロンチウム90は28年、ラジウム226は1620年、炭素14は5600年、プルトニウム239は2万4000年、ウラン233に至っては16万2000年もの長い間、放射能が半分になることはありません。ウランもプルトニウムも原発の燃料です。果して「鎮火」しているのでしょうか。







キュリー


 キュリーとは放射能に関するものに用いられる単位で、キュリーの法則、キュリー点などを発見したキュリー夫妻の名にちなみ、放射性物質の質量を表わした単位名です。一秒間に 3.700×10の10乗個の壊変を示す放射性核種の量を1キュリーといいます。キュリー点とは、温度上昇によって、強磁性体や強誘電体がその性質を消失する臨界温度のことで、ピエール=キュリーによって発見されました。キュリー温度とも言われます。

 実際的な数値を挙げられても専門職の人間でない限りは「キュリー」と言われても、どの程度人体に影響があるのかはまずわからないでしょう。では、1962年3月21日に起きた事故から説明してみます。この奇怪な事故に登場するのは「コバルト60」で、放射性物質質量単位キュリーでは 「5キュリー」です。『わずか5』と思われるでしょうが、この『わずか』が問題となります。

 メキシコのとある1軒の家に、5キュリーを発するコバルト60が置き忘れてあり、ここへそれを知らない4人の家族が引っ越してきました。父親は30歳、母親27歳、10歳の息子と2歳半の娘のしあわせな家族です。3月21日に引っ越してきたその日に、10歳の息子がこの危険な容器を見つけ、中に入っていたカプセルをズボンのポケットに入れてそのまま遊びに行ってしまいました。ある日、洗濯でもしようとしたのか、母親がその子のポケットにあるカプセルを見つけて、台所の引き出しにしまってしまいました。その日が、引っ越して10日目の4月1日です。悲惨な運命がこの家族を待ち受けていました。

 この日を1日目としてその放射線の影響力を示していきます。

 この10歳の息子は16日目になって、ひどく体の具合が悪くなってしまい入院しました。翌17日目になって父親の母親、息子たちの祖母が同居することになってやってきました。彼女が引っ越してきて台所に入って気が付いたのは、無色透明「だった」ガラス製タンブラーです。これが異様な色に黒ずんでいるのに気が付きますが、もちろん原因は知りません。コバルトの出す放射能によってガラスが破壊されて、このような現象が起こります。そのまま生活を続けていましたが、入院していた息子は25日目になってますます具合が悪くなり、絶えず吐き気に襲われて、食欲は無くなるという状態で、医者がよく調べてみると、カプセルを入れていたポケットの場所と思われる左足の太股が壊死していました。つまり、細胞や組織など、生体の一部の死、または死んだ状態となり、紫になったり黒ずんだりして見えます。

 このような状態になってしまった息子は、4月の29日、入院してから29日目に亡くなってしまいました。両親は悲しみましたが、そのとき父親が奥さんを見て気付いたのは、手の爪が黒ずみ、歯茎から出血が起こっていると言う現象でした。それでも彼女は苦しいながら生活を続けましたが、108日目になってとうとう彼女も入院してしまいます。入院したときにはもう人事不省に陥っており、激しいめまいと発熱で翌日に死亡しました。残された2歳半の娘も全身が破壊されてしまい、この子は140日目になって入院するも2日後に死亡してしまいます。

 こうして一挙に息子と妻と娘を失った父親は、娘が死亡してから2日後に同居していた母親と連れ立って入院しましたが、精子が全くなくなっているという状態で、2週間後に一応退院しました。そのまま入院し続けた母親は195日目になって、肺から大量の出血を起こして死亡してしまいました。ただ一人残ったこの男性はどこへ行ってしまったのか、行方不明になっています。おそらく死んでいることでしょう。

 これが放射性物質コバルト5キュリーの周りで人間が生活すると、一体どうなるのかということを示す具体的な事件、事故です。これは5キュリーで5人死んだから1キュリーで1人死ぬ、というものではありません。仮に10人、100人がこの5キュリーコバルト60の周りで生活すれば先の家族と同様の結果が待っています。それだけではなく、その100人がいなくなり、新たに100人が来ても同じことになってしまいます。つまりこのコバルト60が放射線を放っている限り、いくらでも人を殺すことができます。さらに、その中の人が死んで火葬場に行けば、その人が焼かれてそこから出た死の灰が新たに人を殺していきます。そういう何百万単位殺人を実際にできる単位が「キュリー」です。

 チェルノブイリ原発事故で何人死ぬという数字を挙げること自体が、全く非科学的で現実味を帯びていません。では、このメキシコのある家族が遭遇した5キュリーを1万倍してみましょう。大変な量であることは認識できるはずです。このとてつもない5万キュリーという量を、地球上の1万箇所にそれぞれ5万キュリーずつばらまいてみます。合計すると5億キュリー。そうです、チェルノブイリ原発事故でばらまかれた放射線量に近づいてきます。これでいかに地球上が汚染されているかがわかることでしょう。ちなみに、日本にもあるチェルノブイリ原発100万キロワット規模の原発1基では、


1年間に173億キュリーの死の灰が生産されています。






死の灰


 さて、全世界にある原発がいかに危険な物質を生産し続けているかが理解できるでしょう。これをあまりに危険なものなので 「高レベル廃棄物」 と呼びますが、やがて人類はこれのために絶滅するだろうと言われています。これはただの猛毒物なだけでなく、容器の耐久寿命より遥かに長く放射線を放出しますので穴をあけてしまいます。それがチェルノブイリでは、自ら爆発して全世界に降り積もってしまいました。では「死の灰」とは何か、これを吸い込んで「被曝する」とは何かを取り上げてみます。

 原発で使用する燃料棒の中にウラン235というものがあります。このような番号を聞くと多くの人は、自分は化学にうといと感じるのでしょうかややこしく見てしまいがちですが、実はそれほど難しいものではありません。ご飯粒でおにぎりを作ったと考えてみるのがよいでしょう。ウラン235とは陽子と中性子という粒が235個かたまって原子という物質の核を作っているものだと理解してください。このような塊があればそれを「ウラン235」と呼んでいるわけです。ウランというのは、天然で存在する一番大きな粒子で、逆に一番小さいのが水素Hです。このウラン235はたいへん変わった性質を持っており、外から中性子という粒がどこからかでも飛んで来てぶつかると、2つ3つに割れてしまいます。例えば235個のものに1個吸い込まれると236個に、それが2つに割れればちょうど118個ずつになります。

 またウランには238というものもありますが、これは中性子がぶつかってきても割れたりしません。割れないで逆に中性子をもう1つ吸い込んでウラン239になってしまいます。そして少し時間が経つと、構造の変化によってネプツニウム239という原子に変わってしまいます。このネプツニウムが先に北欧で大量に検出された、純金よりも重たい物質です。このネプツニウムが数日経ってしまうと、また原子の形が変わってプルトニウム239というものになります。ネプツニウムのネーミングはギリシャ・ローマ神話の海の神様ネプチューンからきており、プルトニウムは同じ神話の地獄の王プルートーから名付けられました。このプルトニウムも外から中性子がぶつかると、ウランと同様に核分裂を起こして熱を出します。

 通常原子炉の中では、燃料棒の中にウランとプルトニウムが、このように至るところで割れながら熱を出して周りの水を沸騰させ、水を蒸気に変えた勢いで発電機につながっているタービンを回して発電させています。しかし奇妙なことに、広島に落とされた原爆の材料はウラン、長崎に落とされた原爆はプルトニウムからできているのを知っているはずなのに、多くの反核運動をしている人たちの大部分は原発の稼動に無頓着です。核兵器のボタンを押すか押さないかは、まだ人類に選択の余地が残されていますが、


原子炉の中においてはすでに数十年前から核兵器のボタンを押していたことに、まだ人々は気づいていなかったことになります。


 原子炉の中で静かに核戦争が行ってきたその廃棄物の入れ物が地球全土で壊れ始めてきて、とうとう爆発の時代に突入しました。爆発して出てくるものが深刻であり、ウランとプルトニウムが割れるところまでは発電の話でしたが、では割れたカケラはどうなるのかというと、生物の肉体に入り込んで破壊していきます。さきに、ウランは118個ずつに割れると記しましたが、このようにきれいに2つ割れることはまずなく、実際にはばらばらな数で2個や3個に割れます。あるカケラが90個になれば、これがストロンチウム90と呼ばれ、またあるカケラが131個であればヨウ素131、あるいは137個だとセシウム137という物質になります。

 新聞記事などでは、牛乳の中のヨウ素がもう無くなったから放射能は安全だ、という書き方をされてきましたがこれはとんでもないことで、このヨウ素131というのは200種類以上ある死の灰の1種類にすぎません。死の灰は「灰」と書くので空から降ってくるイメージが強く感じられますが、ガス状になっていれば液体になってしまうものもあったり、ほとんど目に見えない塵や金属である場合もあり、それらを総称して死の灰と呼んでいます。

 この死の灰には特異な性質があり、ばらばらに割れてしまうと不安定なってしまうカケラなので、自分で安定した物質になろうとします。その安定したものになるまでに、揺れ動きながらたいへんな量の熱と放射線を出してしまいます。放射線というのは、このときにこれらの物質から生物にとって非常に害悪のある粒子が文字通り放射状に高速で外に出されるものです。例えばアルファ線というものは、よくよく見れば特別なものではなく、原子の核を作っている陽子と中性子が4個くっついたもので、この4つの固まったものが出てくると、それをアルファ線と言います。

 これはプルトニウムから出ますが、それが目に見えるところに置いてあっても被爆しません。プルトニウムは世界一の猛毒物と言われますが、距離があれば安全なのです。何故かというと、プルトニウムが飛ばす放射線、アルファ(α)線は空気中で0.04メートル、つまり4センチしか飛ばないからです。アルファ線は最も遠く飛ぶ場合でも、空気中では10センチしか飛ばず、ほとんど飛ばないと言ってもいいくらいです。しかし、これを体内に入れてしまうとたいへんな問題となります。またベータ(β)線という放射線の場合は、例えば電気コードの中を電気が通っていますが、その中から電子が空間を飛んできたときにベータ線が出たと言ったりします。これはストロンチウムから出ますが、この場合3ミリから1センチしか飛ばないので、距離でいえばプルトニウムより安全となります。ですがこれを食べたりすると危険です。

 他にガンマ(γ)線というのがあり、これはキュリーの説明で紹介したメキシコの家族を襲ったコバルト60から放射されますが、ガンマ線はほとんどのものを射抜いてどこまでも飛んでいってしまいます。天体観測なんかで遥か何光年という遠方からでも観測できるのはこの性質のためです。このガンマ線を電気的に発生させたものがエックス線といって、医療でよく使われるので一般の人でも聞いたことがあることでしょう。ガンマ線やエックス線の正体とは、光子、つまり色が見えたりする粒子のことですが、この粒子が巨大なエネルギーを持って飛ぶことをいいます。TVなどからこの光子が飛んでくると、人の目の中にある網膜と呼ばれる光を感知する細胞が、これを感知して脳に知らせると、人は「光が来た」と認識します。

 この網膜にガンマ線やエックス線が当たると、人の目は何も感じなくなり、かわりに目の中の水晶体と呼ばれるものが壊れて白内障を起こして失明します。つまり、放射線とは何かというと、何でもないはずの粒が強烈なエネルギーを持って飛んで来て、生物の肉体を破壊するものです。


強烈なエネルギーを持った粒が飛んでくる現象、そしてこのような状態を、そこに放射能がある


と言っています。

 今度の原発事故の場合は、数億あるいは10億キュリーの死の灰が全世界に降り積もり、目に見えない影のような形で人々を取り巻いています。ではこれらの死の灰がどの人体の場所に蓄積していくかを表にまとめました。体のどこにどのような放射性物質が残り、どのような放射線を出しつづけ、どれくらいの年月で放射線放出量が半分になる半減期かを確認してください。


人体の場所 放射性物質 放射線の種類 半減期
甲状腺 ヨウ素131 β線(γ線) 8日
ラドン222 α線 3.8日
ウラン233 α線 16万2000年
プルトニウム239 α線 2万4000年
クリプトン85 β線(γ線) 10年
脾臓 ポロニウム210 α線 138日
肝臓 コバルト60 β線(γ線) 5年
腎臓 ルテニウム106 γ線(β線) 1年
卵巣 ヨウ素131 γ線 8日
コバルト60 γ線 5年
クリプトン85 γ線 10年
ルテニウム106 γ線 1年
亜鉛65 γ線 245日
バリウム140 γ線 13日
カリウム42 γ線 12時間
セシウム137 γ線 30年
プルトニウム239 α線 2万4000年
ストロンチウム90 β線 28年
亜鉛65 γ線 245日
ラジウム226 α線 1620年
プロメチウム147 β線 3年
バリウム140 β線(γ線) 13日
トリウム234 β線 24日
燐32 β線 14日
炭素14 β線 5600年
筋肉 カリウム42 β線(γ線) 12時間
セシウム137 β線(γ線) 30年
皮膚 硫黄35 β線 87日


 以上が体内に取り込まれる放射性物質です。例えばヨウ素は甲状腺に溜まって悪影響を及ぼしますが、事故の後ポーランドや西ドイツの母親たちは子供にヨード剤を飲ませました。日本でも原発事故が起きれば、同様の措置をとられます。何故なら人は若いときにこの甲状腺からたくさんのホルモンを分泌して体の成長を促すからです。つまりヨウ素を使ってホルモンを作るので、成長期にある人はヨウ素の吸収能力が高いので多量に摂取してしまいます。陸上にはこのヨウ素がほとんどないので、海藻をよく食べなさいと言われるのはこのためです。今回のような事故が起こって全世界にヨウ素が充満すると、人間のような陸上で生活する動物は、わずかにヨウ素があってもすぐに吸収できるような、非常に高い吸収能力を持っているので、ただちに大量に取り込んでしまいます。


しかし人間の体は放射能を感知できないので、危険なヨウ素と安全なヨウ素を区別することなく、甲状腺に何百万倍という濃度で危険物を濃縮してしまいます。


 その濃縮された「危険なヨウ素」が放射線を出しつづけ、甲状腺腫瘍やガンを起こすことになります。女性は卵巣にプルトニウムが入って、卵子に影響を与え、生まれてくる子供が障害を持ったまま生まれたり、男性なら精子に影響が出ます。プルトニウムは肺にも入って肺ガンを起こし、また背骨にも侵入することが動物実験で分かっています。背骨には血液を造る骨髄があるので、原爆などで被爆した人に白血病が多いのもこれで理解できます。ストロンチウムも背骨に濃縮し、セシウムは筋肉に入って肉腫を起こします。先の表にあるように、それぞれの人によって、食べ物の嗜好、年齢の違い、男女の違いなどによって、滅茶苦茶な形で地球上の誰もがチェルノブイリの死の灰を体中に取り込みました。従って実のところ人は、


時限爆弾を体中に埋め込んだのを自覚することなく生きている


結果となっています。

 先ほどは、プルトニウムは距離があれば安全である、と記しましたが、今度はそれら放射性物質を直接体に取り込んでしまった場合を考えてみましょう。

 「ひばく」 には2種類の表記の仕方があり、「被爆」と記すほうの意味は、原水爆のよる直接の閃光・爆風等を浴びた場合を指し、「被曝」の場合は爆撃によるものではない放射線を浴びたり、原発などで発生した放射性物質や死の灰を体に取り込んだときに記されます。被曝には物理学の法則があり、「被曝量は距離の2乗に反比例する」 ので、距離が2分の1になると2の2乗に反比例することによって「4倍」になります。距離が半分になると2倍の被曝量ではなくて、4倍の被曝量になってしまいます。

 これは外からの場合ですが、内部に、肺に吸い込んでしまうととんでもない被曝量になります。人体から1メートルの距離にあった死の灰を吸い込んでしまったとします。そうすると肺の中の細胞に付着しますから、1メートルのところにあったものは1メートル=1000ミリで、細胞についてしまった場合は、死の灰との距離は1000分の1ミリ単位となってしまいますから、1000分の1が1000あるので1000×1000で100万、距離が100万分の1になります。ということは、先ほどの物理の法則に従うと100万の2乗になって、実に1兆倍の被曝量となってしまいます。


1メートルの場所にある放射性物質の被曝量と、肺の中の被曝量では1兆倍もの影響がある


という恐ろしい結果になり、これが体外被曝と体内被曝の差となります。

 チェルノブイリ事故から2ヵ月後に、茨城県東海村の動燃で国際調査団の人たちがプルトニウムを吸い込んでしまいました。この人たちはかなりの量のプルトニウムを吸い込んでおり、当局によれば被曝量は基準を下回るので大丈夫だという記事が出ていましたが、実際に計算すればとんでもないということが分かります。この人たちはほぼ100%肺ガンになるでしょう。というのは、当局の基準値の計算がどのように行われているかにかかっているからです。例えばプルトニウムを吸い込んだ場合、そのプルトニウムの出すエネルギーを肺全体の広い面積に平均して計算してしまっています。ところが実際にガン細胞ができるときはそのような形ではおこりません。

 実際には肺胞に付着して回りにあるいくつかの細胞を完全破壊します。プルトニウムの出す放射線は遠くには飛びませんが、その分近くにある細胞にそのエネルギーを集中してしまうので、細胞を完全破壊してそこにガン細胞を作ってしまいます。これがプルトニウムが世界一の猛毒物といわれる恐ろしさです。ガン細胞ができたからといってすぐにでも肺ガンになるわけではなく、何年も経ってガン細胞が増殖していき、ある日気が付いたときには肺ガンになっているという状態です。時間がかかっているので、ある肺ガン患者は「遺伝だから」とか、「たばこの吸いすぎ」だからとか、「職業が肺ガンになりやすいものだから」、「ストレスが溜まったから」などと自分の生活環境で肺ガンの原因を決めてしまったりします。

 まさに当局にとっては、何人殺そうが”安全”な基準となっています。彼らが自分たちで吸い込んで「安全だ、安全だ」と言っているのでしたらたいへん結構なことですが、この基準が一般に適用されているのが現実です。事故を起こす側の言うことを聞いていたら命がいくつあっても足りるものではありません。



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