創世記 第15〜17章研究解読 |
第15章5〜6節 |
第16章1〜3節 | 第16章10節 | 第16章11〜12節 |
第17章1節 | 第17章17節 | 第17章18〜21節 |
研究解読・目次 | 創世記 | 旧約聖書 | HOME | ||||||
2004/ 3/ 1 | 第16章11〜12節 UP | |
1999/ 1/ 5 | 第17章1節、17節、18〜21節 UP |
1999/ 1/ 4 | 第15章5〜6節、第16章1〜3節、10節 UP |
第15章5〜6節 |
5節 | そして主は彼を外に連れ出して言われた、「天を仰いで、星を数えることができるなら、数えてみなさい」。また彼に言われた、「あなたの子孫はあのようになるでしょう」。 |
6節 | アブラムは主を信じた。主はこれを彼の義と認められた。 |
アブラム(アブラハム)は神から、あなたは子孫を通してこの地を受け継ぐであろうと言っています。その後に彼は示現で救い主の生涯と復活を示されています。ここで考えられることは初期の族長たちは預言者でもあったわけで、未来についても神から知らされていたのではないかということです。旧約聖書ではそのことが省略されているようで、族長たちは記録されている以上に物事について知っていたと考えられます。6節は、ローマ人への手紙第4章9節でパウロが引用している部分です。パウロはまだ見ないものについての強いアブラハムの信仰を熱烈に語っています(ローマ第4章)。 |
第16章1〜3節 |
1節 | アブラムの妻サライは子を産まなかった。彼女にひとりのつかえめがあった。エジプトの女で名をハガルといった。 |
2節 | サライはアブラムに言った、「主はわたしに子をお授けになりません。どうぞ、わたしのつかえめのところにおはいり下さい。彼女によってわたしは子をもつことになるでしょう」。アブラムはサライの言葉を聞きいれた。 |
3節 | アブラムの妻サライはそのつかえめエジプトの女のハガルをとって、夫アブラムに妻として与えた。これはアブラムがカナンの地に十年住んだ後であった。 |
その当時の習慣では、サライがつかえめのハガルをアブラムに与えた事は、予想されたことであって妥当であると考えられています。 |
第16章11〜12節 |
11節 | 主の使いはまた彼女に言った、「あなたはみごもっています。あなたは男の子を産むでしょう。名をイシマエルと名づけなさい。主があなたの苦しみを聞かれたのです。 |
12節 | 彼は野ろばのような人となり、その手はすべての人に逆らい、すべての人の手は彼に逆らい、彼はすべての兄弟に敵して住むでしょう」。 |
ヘブライ語で「イシマエル」とは、文字とおりに解釈すると、「神は聞かれる」という意味となります。12節でイシマエルは、「野ろば」と呼ばれていますが、この「隠喩」は「自由を愛する者」という意味を暗に含んでいます。この隠喩は、イシマエルの子孫が遊牧生活を送ることを預言する表現ともなっています。 |
第16章10節 |
10節 | 主の使いはまた彼女に言った、「わたしは大いにあなたの子孫を増して、数えきれないほどに多くしましょう」。 |
ハガルにあらわれた主の使いの言葉は、アブラム(アブラハム)に与えられた約束が、イサクを通じてもたらされるものに限定されないことを示しています。 |
第17章1節 |
1節 | アブラムの九十九才の時、主はアブラムに現れて言われた、「わたしは全能の神である。あなたはわたしの前に歩み、全き者であれ」。 |
アブラム(アブラハム)に与えられた戒めは、神の前に全き者であれというものでした。この戒めは、あらゆる時代の聖徒たちに絶えず与えられています(申命記18章13節、マタイ5章48節)。そもそも救いというのは、突然に得られるものではなく、この目的に到達するには非常に長い時間がかかると思われます。なぜなら現世を過ぎてから遂げる成長の方がはるかに大きく、忠実な人がいろいろなあらゆる事を経験してそれを克服し、神による光栄を受けるには墓を越えたはるかかなたであると考えられるからです。 この1節は言葉通りの意味であると解釈でき、人は天における父である神のようになる努力をしなければならないということです。一度にいきなり完全になるのではなく、規則に規則を、教訓に教訓を、模範に模範を重ねて神のようになっていくわけです。ですが、この現世にいる限りは完全にはなれませんが、完全に近づき、神に似た者となるにはこの世である程度神に近づかなくてはなりません。次の成長への新しい階段は、福千年にあることでしょう。 |
第17章17節 |
17節 | アブラハムはひれ伏して笑い、心の中で言った、「百才の者にどうして子が産まれよう。サラはまた九十歳にもなって、どうして産むことができようか」。 |
この部分は、一見すると神を信じていないような感がありますが、喜びを表わしていることがヘブライ語の本文によって立証されています。 |
第17章18〜21節 |
18節 | そしてアブラハムは神に言った、「どうかイシマエルがあなたの前に生きながらえますように」。 |
19節 | 神は言われた、「いや、あなたの妻サラはあなたに男の子を産むでしょう。名をイサクと名づけなさい。わたしは彼と契約を立てて、後の子孫のために永遠の契約としよう。 |
20節 | またイシマエルについてはあなたの願いを聞いた。わたしは彼を祝福して多くの子孫を得させ、大いにそれを増すであろう。彼は十二人の君たちを産むであろう。わたしは彼を大いなる国民としよう。 |
21節 | しかしわたしは来年の今ごろサラがあなたに産むイサクと、わたしの契約を立てるであろう」。 |
長子の特権は、イシマエルではなく、第一の妻の子であるイサクに与えられています。イシマエルは、アブラハムとハガルの間に生まれた最初の子であって、イサクより4歳ほど年上であったといわれています。神は最初の約束に従ってサラによって生まれたアブラハムの息子が契約の責任を担うことを明らかにしていますが、しかし、イシマエル自身も12人の息子を通して大いなる国民の父となるはずでした。 |
TOP | 研究解読・目次 | 創世記 | 旧約聖書 | HOME | ||||||||