旧約聖書 新約聖書 HOME




2000/ 6/29  追加 UP


 サムエル記・下巻は「聖書」によってまとめて1書としているものもあり、2書に分けられているものもあります。この2書は、サムエルの誕生からダビデ王の死の直前までの約130年の期間の記録です。サムエルは旧約聖書中の預言者で、エルカナとハンナの間の息子で、母の祈りの答えとして生まれたとされています。幼年時代、サムエルはシロに置かれていた幕屋で大祭司の努めにあったエリのもとで育てられました。エホバ(キリスト)は年若いサムエルを預言者に任命しました。エリの死後、サムエルはイスラエルの偉大な預言者や、士師となって律法と秩序や規則にのった宗教礼拝を回復しています。

 サムエル記下には、ユダの王又は全イスラエルの王としてのダビデの治世が詳細に描かれています。
 第1〜4章には、ダビデがユダの王になった後もダビデの支持者とサウルの支持者の間で長い争いがあったことが記されています。
 第5〜10章には、ダビデが多くの地域で権勢を伸ばしていった様子が描かれています。
 第11〜21章には、自分自身の罪と家族の内部から起きた反逆のために、ダビデの霊的な力が衰えていく様子が描かれています。
 第22〜24章には、ダビデの神との和解への試みが描かれています。



 あるキリスト教の人が隣人のユダヤ人にこのように言われました。
「キリスト教徒がユダヤ人との関係において少しでも歩みを進めたいと思うなら、ダビデ王を悲劇的な罪の人として論じることはやめないといけない。なにしろぼくたちユダヤ人は彼をイスラエルの歴史の中の最高の人物のひとりとして評価しているのだからね。」

 「ダビデは立派な人物だったと言えるのでしょうか?」と旧約聖書の学者たちの前で質問をすれば、たちまちすさまじい勢いの討論に巻き込まれることになるでしょう。イスラエルはダビデの統治下に最盛期に達して、国力も絶頂となりました。ダビデの指導の下に選民たちは初めて、約1000年前にアブラハムの子孫に約束された全地を勢力下に置くことができました。イスラエルの勢いがそこまでに達したことはかつてなく、それ以後も二度とありませんでした。

 
聖書を読む人は、ダビデをゴリアテを殺した人物として強調しているのでしょうか。それとも、ウリヤを殺した人物として強調しているのでしょうか。彼を、神が油注いだ者に手を上げることを拒んだ僕として見るべきなのでしょうか。それとも忠実な僕に手をかけた人物と見るべきなのでしょうか。彼の生涯は悲劇だったのでしょうか。それとも勝利だったのでしょうかと言ったのでしょうか。また、もし悲劇であったとするならば、なぜメシアが「ダビデの位に座し(イザヤ9章7節)」と予言し、「王ダビデ(エレミヤ30章9節、エゼキエル37章24〜25節)」と呼ばれているのでしょうか。イエスが「父ダビデの王座(ルカ1章32節)」を受けて、「ダビデの鍵を持つ者(黙示録3章7節)」と言われているのはなぜでしょうか。

 ここでは、イスラエルの王としてのダビデについて考察していきます。戦士に転じた羊飼いの少年、また、サウルの狂気によって王の従者からお尋ね者になった人物としてのダビデについてはサムエル記上で考察します。今やサウルは死んで、ダビデは名実共に王となりました。

 このHPを訪れたことをきっかけとして、今までの先入観をとってみてはどうでしょうか?。新しい視点からダビデ王を観察してみましょう。その観点とは、ダビデの生涯を悲劇と見ることは不当なことなのか、また、この歴史上傑出したこの人物をどのように見たらよいのかという点です。



TOP 研究解読・目次 旧約聖書 HOME



inserted by FC2 system