サムエル記上 第5〜8章研究解読 |
第5章2〜3節 | 第5章6節 |
第7章13節 |
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2005/ 7/21 | 第7章13節 UP | |
2004/ 1/14 | 第5章2〜3節、6節 UP |
第5章2〜3節 |
2節 | そしてペリシテびとはその神の箱を取ってダゴンの宮に運び込み、ダゴンのかたわらに置いた。 |
3節 | アシドトの人々が、次の日、早く起きて見ると、ダゴンが主の箱の前に、うつむきに地に置かれていたので、彼らはダゴンを起して、それをもとの所に置いた。 |
ダゴンとはペリシテ人の神々のひとつです。彼らは、ダゴンがイスラエルに対する勝利を彼らに与えたと信じたので、奪ってきたイスラエルの契約の箱をダゴンの神殿に運んで、それを戦利品としてダゴンに捧げました。続く4節から第5章終わりまでには、ペリシテ人が契約の箱を奪い取ったために呪われていった記述があります。ダゴンの像はばらばらになり、人々は全身に腫れ物ができてしまい、町中が混乱に陥りました。 |
第5章6節 |
6節 | そして主の手はアシドドびとの上にきびしく臨み、主は腫物をもってアシドドとその領域の人々を恐れさせ、また悩まされた。 |
ペリシテ人の間に広がった恐ろしい腫物のために、多く人がひどい苦しみを味わいました。古代歴史家ヨセフスはこれを、「ひどい滅びをもたらす病気」、すなわち下痢や嘔吐、出血などを伴う病気であると言っています(第6巻 第1章、段落1)。また彼は病気を媒介するネズミの害についても述べています。ネズミの害については聖書に直接述べられていませんが、ペリシテ人が契約の箱を戻すことで神の怒りを和らげようとしたときに、彼らは金の腫物5つと金のネズミ5つをイスラエルに送って、この災難から逃れようとしました(サムエル記上第6章4節)。おそらく彼らはこの病気が、ネズミに関係しているものと判断したので、贈り物としてこれらの物を造ったのでしょう。 この病気のひどさと、ねずみが関係していることから多くの学者は、ペリシテ人を悩ませたのは 「腺ペスト」であると結論付けています。腺ペストの名は、リンパ腺に腫瘍ができることに由来していて、この腫物はそけい部に多くできます。また、病気を媒介するのはネズミに付いている「ノミ」であることがわかっており、かなりの苦痛を伴うので、死亡率は1週間以内で70%にもなると言われています。 当時のペリシテ人は迷信深かったので、この難から逃れるために、その出来事に関する実際の物をかたどって造った像ならば、それを防げると考えていました。金で腫物とねずみの像をつくり、それを 「とがの供え物(8節)」として契約の箱と一緒にイスラエルの領地に送り返したのは、そのためです。(サムエル上5章6節〜6章16節) |
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第7章13節 |
13節 | こうしてペリシテびとは征服され、ふたたびイスラエルの領地に、はいらなかった。サムエルの一生の間、主の手が、ペリシテびとを防いだ。 |
ここでは、サムエルとサムソンの著しい対比が見られている部分です。この二人はともに、神の奇跡的な介在によって不妊の女性から産れました。また二人とも、生涯ナジル人として過ごしたと見られています。ところが、サムソンは身体の強さが卓越していたにもかかわらず、ペリシテ人の力を打ち倒せませんでした。それは、彼が神に献身的ではなかったことが原因となっています。一方サムエルは、ペリシテ人の圧力を神を信頼する力と霊的な強さでもって防ぎました。 |