サムエル記上 第16〜19章研究解読



第16章14節
第17章4〜7節



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2004/ 3/ 4  第16章14節 UP
2000/ 6/19  第17章4〜7節 UP



第16章14節

14節 さて主の霊はサウルを離れ、主から来る悪霊が彼を悩ました。


 この部分の注意点は、悪霊が神から遣わされることはなく、また悪霊を通じて神が啓示を下すこともないことです。悪霊は時折人々を悩まし、そもそもこれら「悪霊」というのは、神に対して謀反を起したことで天界から追放された霊たちのことを言います。これらのことからこの14節は次のように記されるべきでしょう。


「さて主の御霊はサウルを離れ、主からのものではない悪霊が彼を悩ました。」


 14節から23節に記されている出来事は、サウルが神から受け入れられなくなった結果として起こった最初の出来事です。サウルはこの後ますます平安を失って、ついにはとても惨めな、罪悪感に悩まされた男となってしまいました。




第17章4〜7節

4節 時にぺリシテ人の陣から、ガテのゴリアテという名の、戦いをいどむ者が出てきた。身のたけは六キュビト半。
頭には青銅のかぶとを頂き、身には、うろことじのよろいを着ていた。そのよろいは青銅で重さ五千シケル。
6節 また足には青銅のすね当てを着け、肩には青銅の投げやりを背負っていた。
7節 手に持っているやりの柄は、機の巻棒のようであり、やりの穂の鉄は六百シケルであった。彼の前には、楯を執る者が進んだ。


 この聖句によれば、ゴリアテの身長は6キュビト半であり、1キュビトの長さは手を伸ばした時のひじから中指までに当たり、最も一般的な説では約45pとされています。従って、ゴリアテの身長はおよそ292.5pとなり、約3mもの巨人であることがわかります。ぺリシテ人がこのような戦士を選び出してしまうと、イスラエルの人が誰もサウル側の戦士になることを望まなかったことは、驚くにはあたりません

 今日では、身長が2mを越える人はかなり少ないですが、古代には2mを遥かに越える人々がいたと言われています。以下は巨人について書かれてある部分です。


初期の時代 モーセ7章15節
ノアの時代 モーセ8章18節創世記6章4節(ネピリム)
イスラエルの時代 民数記13章33節、申命記2章10〜11節、
ダビデの時代 歴代志上20章4〜8節


 イスラエルの人々がアナク人(ヘブライ語で「首の長い」あるいは「長身の」という意味)と呼んでいたこの巨人の種族は、ヨシュアがカナンを征服した時に、ほとんど滅ぼされたと思われます(ヨシュア記11章21節)。事実、ガザやアシドド、またゴリアテの故郷であったガテ以外に、アナク人はひとりも残っていなかったことが記録されています。専門家はゴリアテの武具の重さを約68`と推定しています。機(はた)の巻棒とは、丈夫な太い木で出来ていて、織物の糸がそれに巻かれている棒のことです。ゴリアテのやりの穂の重さは、5.4`から11.8`と言われ、また学者によって1シケルをどの位の重さと考えるかによって異なっています。すね当てとは足のすね前部に付けるもので、膝下から足首までを覆う防具です。



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