ローマ人への手紙 第6〜8章研究解読





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2000/ 5/15  序文 UP


 ローマ帝国の都ローマは、安定した政権の下に秩序が保たれ、壮麗な都として栄えていました。そのような中で、ようやく歩み出したキリストの教会は、世に福音を宣べ伝えよという神の命令に応えて、伝道に励んでいました。繁栄の都ローマはまた、堕落と無情と独裁に泣く都でもあります。それでも、境界線を越えてローマになだれ込もうとする周辺の残虐な無政府国家の暴虐に対しては、堅固な守りを保っていました。その陰の力となったローマ軍の統括を受けて比較的平穏な世情に恵まれた地中海世界において、パウロやそのほか救い主を証する人々による伝道活動が展開されました。エルサレムを発ったこれらの人々は訪れる先々で、キリストが死から蘇えったという良き訪れを証して、教会を建て、聖徒を力付けて、人々に警告の声を上げます。

 当時ローマには教会の支部がひとつ設立されて、ユダヤ人をはじめとする人々を改宗へと導きました。その中には、エルサレムへ旅をして、そこでイエスの復活後まもなくあった五旬節に改宗した人々もいました。政治と経済と文化の中心である異教を奉じる帝国において、多くの影響を受けながらも、先に述べた人々によってローマに建てられた教会は、秩序が保たれて発展を続けます。

 紀元58年の春、パウロはコリントにいました。彼はそこで使徒として熱心にその務めを果たして、教会を導く傍ら、エルサレムへ戻る準備を始めます。この間にパウロは、ローマの聖徒に宛てて手紙を書きました。その手紙の内容から、ローマの聖徒たちが一般に忠実で、熱心に真理を求めていたことが伺えます。そこで彼は、深遠な教義を彼らに書き送りました。聖徒たちに。聖霊の賜を受ける十分な信仰があって、霊に関わる事柄に敏感で、また神の偉大な救いの計画における人の目的を認識していたからです。パウロは手紙を通して、


人は福音に従って生活することにより、天父なる神に似た者となって、天父が持っているすべてのものを受け継ぐようにしなければならないと教えています。




第6章13、16節

13節 また、あなたがたの肢体を不義の武器として罪にささげてはならない。むしろ、死人の中から生かされた者として、自分自身を神にささげ、自分の肢体を義の武器として神にささげるがよい。
16節 あなたがたは知らないのか。あなたがた自身が、だれかの僕になって服従するなら、あなたがたは自分の服従するその者の僕であって、死に至る罪の僕ともなり、あるいは、義に至る従順の僕ともなるのである。




第7章7節

7節 それでは、わたしたちは、なんと言おうか。律法は罪なのか。断じてそうではない。しかし、律法によらなければ、わたしは罪を知らなかったであろう。すなわち、もし律法が「むさぼるな」と言わなかったら、わたしはむさぼりなるものを知らなかったであろう。




第8章4〜8節

4節 これは律法の要求が、肉によらず霊によって歩くわたしたちにおいて、満たされるためである。
5節 なぜなら、肉に従う者は肉のことを思い、霊に従う者は霊のことを思うからである。
6節 肉の思いは死であるが、霊の思いは、いのちと平安とである。
7節 なぜなら、肉の思いは神に敵するからである。すなわち、それは神の律法に従わず、否、従い得ないのである。
8節 また、肉にある者は、神を喜ばせることができない。




第8章13節

13節 なぜなら、もし、肉に従って生きるなら、あなたがたは死ぬ外はないからである。しかし、霊によってからだの働きを殺すなら、あなたがたは生きるであろう。




第8章28〜30節

28節 神は、神を愛する者たち、すなわち、ご計画に従って召された者たちと共に働いて、万事を益となるようにして下さることを、わたしたちは知っている。
29節 神はあらかじめ知っておられる者たちを、更に御子のかたちに似たものとしようとして、あらかじめ定めて下さった。それは、御子を多くの兄弟の仲で長子とならせるためであった。
30節 そして、あらかじめ定めた者たちを更に召し、召した者たちを更に義とし、義とした者たちには、更に栄光を与えて下さったのである。



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