ネヘミヤ記 第7〜13章研究解読



第8章1〜12節
第13章28〜31節



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2004/ 3/30  第8章1〜12節 UP
2004/ 3/28  第13章28〜31節 UP



第8章1〜12節

2節 祭司エズラは七月の一日に律法を携えて来て、男女の会衆およびすべて聞いて悟ることのできる人々の前にあらわれ、
3節 水の門の前にある広場で、あけぼのから正午まで、男女および悟ることのできる人々の前でこれを呼んだ。民はみな律法の書に耳を傾けた。
5節 エズラはすべての民の前にその書を開いた。彼はすべての民よりも高い所にいたからである。彼が書を開くと、すべての民は起立した。
8節 彼らはその書、すなわち神の律法をめいりょうに読み、その意味を解き明かしてその読むところを悟らせた。


 学者でもある預言者エズラが民に律法を読んだことは、特に重要な意味をもっています。それは会堂、または聖文を読んで説明する場所が、バビロン捕囚のから解放されて帰国した後、初めてエルサレムに建てられたことを意味するからです。聖書学者アダム・クラークは8節について次のように説明しました。

 「エレミヤが預言した70年に及ぶバビロン捕囚(エレミヤ25章11節)から帰国したばかりのイスラエルの民は、著しく堕落していたのみならず、古代ヘブライ人の持っていた一般的な知識の大部分を失っていたので、律法の書が読まれたときそれを理解できなかった。しかしそばにいたレビ人が説明、すなわちカルデヤ語に翻訳したのである。イスラエルの民は古代の言語ばかりでなく宗教的な儀式も知らなかった。バビロンに長期間捕囚されている間、儀式の執行を許されていなかったからである。言語の通訳が必要だっただけでなく、儀式の意味について説明が必要とされることもあった。この章の13節から、彼らは仮庵の祭やそれに関する儀式さえ忘れていたことが分かる。」




第13章28〜31節

28節 大祭司エリアシブの子ヨイアダのひとりの子はホロニびとサンバラテの婿であったので、わたしは彼をわたしのところから追い出した。
29節 わが神よ、彼らのことを覚えてください。彼は祭司の職を汚し、また祭司およびレビびとの契約を汚しました。
30節 このように、わたしは彼らを清めて、異邦のものをことごとく捨てさせ、祭司およびレビびとの務を定めて、おのおのそのわざにつかせた。
31節 また定められた時に、たきぎの供え物をささげさせ、また初物をささげさせた。わが神よ、わたしを覚え、わたしをお恵みください。


 ユダヤ人はエルサレムの都を聖なる場所と考えていましたが、後にサマリヤ人ゲリジム山を聖なる山と見ました(ヨハネ4章19〜22節)。明確には記されていませんが、ネヘミヤ記のこの争いが原因でゲリジム山はサマリヤ人にとって聖なる場所となっています。バビロニヤの捕囚から帰って後に、ゲリジム山は再度サマリヤ人にとって礼拝の中心として重要な場所となりました。エルサレムの祭司であったヨイアダの息子あるいは孫であった人はマナセの民ですが、敵対していたサンバラテの娘と結婚しました。彼は妻と別れることを拒んだので、祭司の職と権能を失ってサマリヤ人の間に隠れ住み、その中で大祭司の家族の一員であることを利用し、神殿と権能に対抗する神聖な場所としてゲリジム山を定めています。



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