ヨハネの黙示録 第16〜18章研究解読



第16章1〜2節・8〜9節 第16章12〜16節 第16章20〜21節
第17章1節 第17章14節



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1999/ 3/30  第17章1節 UP
1999/ 3/28  第16章12〜16節、20〜21節 UP
1999/ 3/24  第16章1〜2節・8〜9節 UP



第16章1〜2節、8〜9節

1節 それから、大きな声が聖所から出て、七人の御使にむかい、「さあ行って、神の激しい怒りの七つの鉢を、地に傾けよ」と言うのを聞いた。
2節 そして、第一の者が出て行って、その鉢を地に傾けた。すると、獣の刻印を持つ人々と、その像を拝む人々とのからだに、ひどい悪性のでき物ができた。
8節 第四の者が、その鉢を太陽に傾けた。すると、太陽は火で人々を焼くことを許された。
9節 人々は、激しい炎熱で焼かれたが、これらの災害を支配する神の名を汚し、悔い改めて神に栄光を帰することをしなかった。


 これらの状態はこの世的にも、人の人格的なものにしろかなりの最終段階に近い頃に悲惨を極めることでしょう。聖書の研究の結果、神は義人の住む所としての地球を備える最後の清めを行ない、これらの疫病や災害が地上から大勢の人々を取り去る方法に手を付けるということです。




第16章12〜16節

12節 第六の者が、その鉢を大ユフラテ川に傾けた。すると、その水は、日の出る方から来る王たちに対し道を備えるために、かれてしまった。
13節 また見ると、龍の口から、獣の口から、にせ預言者の口から、かえるのような三つの汚れた霊が出てきた。
14節 これらは、しるしを行なう悪霊の霊であって、全世界の王たちのところに行き、彼らを召集したが、それは、全能の神の大いなる日に戦いをするためであった。
15節 (見よ、わたしは盗人のように来る。裸のままで歩かないように、目をさまし着物を身に着けている者は、さいわいである。)
16節 三つの霊はヘブル語でハルマゲドンという所に、王たちを召集した。


 ハルマゲドンとは、ヘブル語の「ハル・メギト」、ギリシャ語で「アルマゲドン」と表記し、ともに「メギドの丘」という意味を持っています。このメギドの丘はエルサレムの北方約90`に位置していて、ここからエスドラエロンの盆地と呼ばれる大平原に通じる北方の地を見下ろすことができ、海岸地帯の平原と内陸の平原やガリラヤの丘陵地帯とを分ける山系を分断する戦略上の要害となっています。この砦、すなわちメギドの山のゆえに、その盆地と周辺地域も「ハルマゲドン」として知られるようになりました。最近よく話題になっている近年起こる戦争のことをハルマゲドンと言われますが、聖書を読むとその戦争の名ではなく、中東の一つの場所の名であることがわかります。

 古代世界の最も重要な幹線道路の一つ、つまりエジプトとアジアを結ぶ主要道路は、この盆地を貫き、メギドのとりでの近くを経由していました。メギドとエスドラエロン盆地では、この地が戦略上重要な地域であったことから、これまでに何度も血生臭い戦闘が交わされています。これまでに、エジプト軍やローマ軍、イギリスの戦闘部隊、イスラエルの戦車がこのメギドの盆地で戦闘を行なっています。

 12〜16節の部分にもあるように、キリストの再臨の前にすべての国々の軍隊(多国籍軍又は世界統一軍)がここに集結して、エルサレムに対して戦いを挑むでしょう。キリストの再臨に先立つ最後の大きな出来事のひとつであるこの壮烈な戦争については、昔から多くの予言者たちがこれを予見して、これについて詳細に語ってきました。(エゼキエル書38〜39章、ヨエル書2〜3章、イザヤ書34章、エレミヤ書25章、ダニエル書11〜12章、ゼカリヤ書12〜14章)

 そして、エルサレムの北方に位置するハルマゲドンで、この大戦争が展開されることになるでしょう。つまり、諸々の国民や軍隊が集合してこのような包囲が行われる時に、キリストが再臨して軍隊を滅ぼし、また世界中にもそれは及ぶということです。また再臨により、軍隊は非常な混乱を起こして彼らは互いに戦い合うようになり、大殺戮が始まってしまいます。その時にキリストはユダヤ人のもとに姿を現し、彼らを呼び寄せて自分の十字架にかけられた時の傷を見せることでしょう。すると彼らは、それまで受け入れることをしなかったキリストを自分たちの贖い主として受け入れるようになるというのが、この黙示録、いや聖書の人々に伝えたい重要なメッセージです。




第16章20〜21節

20節 島々はみな逃げ去り、山々は見えなくなった。
21節 また一タラントの重さほどの大きな雹が、天から人々の上に降ってきた。人々は、この雹の災害のゆえに神をのろった。その災害が、非常に大きかったからである。


 斉一論では、過去に大陸は幾度も分裂と合体を繰り返していたと言われています。しかし、この説はその現象に数億年という長い期間の出来事と考えられていますが、最近の調査によると一度の地震で地面が数メートルも移動することがわかり、大陸の収縮の兆候も、日本とドイツの距離が縮まっているのが確認されました。もし、分裂が不安定な状態になった結果だとしたら、収縮は安定を求めての結果であるとすることができます。地球が今「安定」を求めているのであれば、現在の大陸が収縮を始めているということです。20節の意味は、ただ陸が移動するだけではなく、地球が元の状態にもどろうとしての結果ではないかと考えられます。元の状態というのは、エデンの園の頃ではないかと見ています。

 当然ながら大陸が移動、つまり高速移動とも言える移動をした場合21節のような気象現象が起こるでしょう。しかし再臨の前には新しい星による影響も加わり、このような大災害が起こると考えられます。一説には、地球の回転軸が不安定になり、場所によっては太陽が沈まなかったり(ゼカリヤ書第14章6〜7節)、その反対の場所では夜が明けなかったりすると言われています。




第17章1節

1節 それから、七つの鉢を持つ七人の御使のひとりがきて、わたしに語って言った、「さあ、きなさい。多くの水の上にすわっている大淫婦に対するさばきを、見せよう。


 ヨハネの黙示録の特徴ののひとつとして、表象がかなり多く使われています。「大淫婦」にたとえられる、あらゆる邪悪に満ちたサタンの王国は豪華な衣に身を包んで、獣に乗った女として描写されています。これは明らかに不道徳と悪を示しています。しかし表象にはさらに深い意味があり、淫婦をサタンの支配の比喩として用いることは適切と考えられます。というのは、聖典にサタンはすべての善いもの、尊いものを否定し汚すからと書かれてあるからです。神と人との理想的な関係とは、聖書の中で度々「結婚」として象徴されています。旧約聖書ではエホバが夫であり、イスラエルが花嫁となります。そして新約聖書では、キリストは花婿であり教会が花嫁となっています(マタイ25章1〜31節、ヨハネの黙示録19章7〜9節)。

 キリストと交わした誓約に不忠実な者は、不道徳と罪に自らを売り渡した不実な女に例えられます。

 また、神の律法やその王国における救いから人々を導き出して、それらから踏み誤らせようとする為に建てられる教会や組織は、その名前や性格が何であろうと、悪魔の教会、また憎むべき大教会という呼び方で表わすことができます。政治、思想、教育、経済、社交、友愛、道楽、宗教、その他のいずれの組織であろうとこのことが言えます。




第17章14節

14節 彼らは小羊に戦いを挑んでくるが、小羊は、主の主、王の王であるから、彼らに打ち勝つ。また、小羊と共にいる召された、選ばれた、忠実な者たちも、勝利を得る」。


 権力と邪悪の限りを尽くす淫婦と獣を描写した後、ヨハネは神の小羊の至高の力がそれを打ち負かすことを証しています。現在における啓示もこのことを確認しています。この末日に教会が組織される間際に、キリストは御父の御心に従うことによってすべてのものを治める力を得たと言われています。ノアの時代に、神は洪水によって世を滅ぼして、もっと好ましく良い環境の下で自分の霊の子供たちを地球に送ろうとしています。しかし、この現代はノアの時代よりもある意味で「邪悪」であるとされています。ですが、聖徒たちはある程度世の欲に染まっていますが、程度の差こそあれ世に打ち勝っていると言えます。

 現在の世界は混乱した状態にあって、世界の老衰化は進んで非常に病んだ状態です。はるか昔に大地は大いなる希望を持って誕生し、水によるバプテスマ(ノアの大洪水)を受けてその罪は洗われたといえますが、聖書で言われている「火によるバプテスマ」はまだ受けていません。これはこれから起こる将来の出来事であると考えられます。この世の健全な状態は短く、長い間病める状態にあり、この世界(地球)が誕生して以来多くの病気に見舞われ、今や老いようとしています。そして余病を併発してあらゆる病を抱え込んでいるように見えます。しかし、予言者たちは病める世界を癒す唯一の治療(勝利)方法を奨励しましたが、これは世によって拒まれてしまいました。



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