モーセの書 第6章



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2004/ 1/17 第6章 UP


 アダムの子孫は、覚えの書を記し、アダムの義にかなった子孫、悔い改めを宣べ伝えます。神は自身をエノクに現わして、エノクは福音を宣べ伝えるようになりました。また、救いの計画がアダムに明らかにされ、アダムはバプテスマと神権を受けます。


1節 アダムは神の声に聞き従い、息子たちに悔い改めるように呼びかけた。
2節 アダムはまたその妻を知り、彼女は男の子を産んだ。そして、アダムはその子をセツと名付けた。アダムは神の名をたたえて言った。「神はカインが殺したアベルの代わりに、一人の子をわたしに授けてくださった。」
3節 神はセツに御自身を現され、セツは背くことなく、兄アベルのように受け入れられる犠牲をささげた。また、セツにも男の子が生まれ、彼はその子をエノスと名付けた。
4節 そのとき、これらの人は主の名を呼び始め、主は彼らを祝福された。
5節 また、覚えの書が記され、アダムの言葉で記録された。神に呼び求めたすべての者は、霊感の霊によって書くことが許された。
6節 そして、彼らによってその子供たちは読み書きを教えられ、その言葉は清らかで汚れのないものであった。
7節 さて、初めにあったこの神権は、世の終わりにもあるであろう。
8節 この預言を、アダムは聖霊に感じるままに語った。そして、神の子たちについて一つの系図が記された。これはアダムの歴代の書で、次のとおりであった。すなわち、神は人を創造された日に、神にかたどって人を造られた。
9節 神は彼らを、御自分の体の形に、男と女に創造された。彼らが創造されて、神の足台の上の地で生けるものとなった日に、神は彼らを祝福して、彼らをアダムと名付けられた。
10節 アダムは百三十歳になって、自分にかたどり、自分の形のような男の子をもうけ、その子をセツと名付けた。
11節 アダムがセツをもうけた後、生きた年は八百年であって、彼は多くの息子、娘たちをもうけた。
12節 アダムの生きた年は合わせて九百三十歳であった。そして、彼は死んだ。
13節 セツは百五十歳になって、エノスをもうけた。セツは一生の間預言し、息子エノスに主の道を教えたので、エノスもまた預言した。
14節 セツはエノスをもうけた後、八百七年生きて、多くの息子、娘たちをもうけた。
15節 人の子らは地の全面に非常に大勢いた。その時代に、サタンは人々の中で大きな力を持ち、彼らの心中で荒れ狂ったそして、そのときから戦争と流血が起こった。また、秘密の業のために、人は権力を求めて、自分の兄弟に手を下して殺した。
16節 セツの歳は合わせて九百十二歳であった。そして、彼は死んだ。
17節 エノスは九十歳になって、カイナンをもうけた。エノスと神の民の残りのものは、シュロンと呼ばれた地を出て、彼がカイナンと名付けた自分の息子にちなんで呼んだ約束の地に住んだ。
18節 エノスはカイナンをもうけた後、八一五年生きて、多くの息子、娘たちをもうけた。エノスの歳は合わせて九百五歳であった。そして、彼は死んだ。
19節 カイナンは七十歳になって、マハラレルをもうけた。カイナンはマハラレルをもうけた後、八百四十年生きて、息子、娘たちをもうけた。カイナンの歳は合わせて九百十歳であった。そして、彼は死んだ。
20節 マハラレルは六五歳になって、ヤレドをもうけた。マハラレルはヤレドをもうけた後、八百三十年生きて、息子娘たちをもうけた。マハラレルの歳は合わせて八百九十五歳であった。そして、彼は死んだ。
21節 ヤレドは百六十二歳になって、エノクをもうけた。ヤレドはエノクをもうけた後、八百年生きて、息子、娘たちをもうけた。ヤレドはエノクに神の道をすべて教えた。
22節 これがアダムの子孫の系図である。アダムは神の子であり、神は自ら彼と語られた。
23節 彼らは義を説く者であって、語り、預言し、どこにいる人でもすべての人に悔い改めるように呼びかけた。そして人の子らに信仰が教えられた。
24節 さて、ヤレドの歳は遇わせて九百六十二歳であった。そして、彼は死んだ。
25節 エノクは六五歳になってメトセラをもうけた。
26節 そして、エノクは地の上を行き、民の中を旅した。彼が旅をしていると、神の御霊が天から降り、彼の上にとどまった。
27節 そして、彼は天から声が告げられるのを聞いた。「わたしの子エノクよ、この民に預言し、彼らに言いなさい『悔い改めなさい。主は次のように言われるからです。「わたしはこの民のことを怒っており、私の激しい怒りは彼らに向かって燃えている。彼らの心はかたくなになり、その耳は聞こえにくく、その目は遠くを見ることができない。
28節 わたしが彼らを造った日以来、多くの世代にわたって、彼らは迷い、わたしを否定し、闇の中で自分の知恵を求め、彼らの忌まわしい行いの中で殺人を企て、わたしが彼らの先祖アダムに与えた戒めを守ってこなかった。
29節 それゆえ、偽りの誓いを立て、その誓いによって自らを死に招いてきた。彼らが悔い改めなければ、わたしは彼らのために地獄を用意している。
30節 これは、わたしが世の初めに、わたし自身の口から、しかも世の初めから送り出してきた定めである。そして、それが将来世の中に送り出されるように、あなたの先祖であるわたしの僕たちの口を通して、わたしはそれを地の果てまで布告してきたのである」と。』」
31節 エノクはこれらの御言葉を聞いたとき、主の前で地に伏し、主の前に語っていった。「わたしがあなたの目にかなったのはなぜでしょうか。わたしは若者にすぎず、すべての人はわたしを憎みますわたしは口の重い者だからです。どうしてわたしはあなたの僕なのでしょうか。」
32節 主はエノクに言われた。「行って、わたしがあなたに命じたように行いなさい。そうすれば、あなたを刺し貫く者はだれもいないであろう。あなたの口を開きなさい。そうすれば、それは満たされるであろう。わたしはあなたに語る力を与えよう。すべての肉なるものはわたしの手の内にあるからである。そして、わたしは自分がよいと思うままに行おう。
33節 この民に、『あなたがたは今日、あなたがたを造られた主なる神に仕えることを選びなさい』と言いなさい。
34節 見よ、わたしの御霊があなたのうえにあるので、あなたのすべての言葉を、わたしは正しいとする。山々はあなたの前から逃げ去り、川はその流れを変えるであろう。あなたはわたしにつながっていなさい。そうすれば、わたしはあなたとつながっていよう。それゆえ、わたしとともに歩みなさい。」
35節 主はエノクに語って言われた。「あなたの目に泥を塗り、それを洗いなさい。そうすれば、あなたは見るであろう。」 そこで、彼はそうした。
36節 そして、彼は神が造られた霊たちを見た。彼はまた肉体の目に見えないものも見た。それ以来、「主はその民のために、一人の聖見者を立てられた」という言葉がその地に広まった。
37節 さて、エノクはその地の人々の中に出て行き、もろもろの丘と高い所に立って、大声で叫び、彼らの行いを責める証を述べた。すると、すべての人が彼に腹を立てた。
38節 彼らは彼の言葉を聞くために出て来て、天幕を守る者たちに言った。「あなたがたはここにとどまって、天幕を守っていなさい。その間に、我々はあそこへ行って聖見者を見てくる。彼は預言をする。この地に変わったことがある。野生の男が我々の中にやって来たのだ。」
39節 さて、彼の言葉を聞いたとき、彼に手を出すものはだれ一人いなかった。彼の言葉を聞いたすべての者に、恐れが及んだためである。彼が神とともに歩んだからである。
40節 彼のもとに、その名をマヒヤという一人の男がやってきて言った。「あなたはだれで、どこから来たのか、はっきりと言ってください。」
41節 そこで、彼は彼らに行った。「先祖の地であり、今日まで義の地であるカイナンの地からやってきました。私の父は私に神の道をすべて教えてくれました。
42節 そして、カイナンの地から東の海沿いに旅をしていたとき、わたしは示現を見ました。まことに、天を見ました。そして、主は私と語り、わたしに命を下されました。この理由で、すなわちその命に従うために、わたしはこれらの言葉を語っているのです。」
43節 エノクはその話を続けていった。「私と語られた主は、天の神です。私の神であり、またあなた方の神です。あなたがたはわたしの兄弟です。どうしてあなたがたは自分で自分に勧めをして、天の神を否定するのですか。
44節 神は天を造られ、地は神の足台であり、地の基は神のものです。まことに、神はそれを据えられ、地の面に大勢の人をもたらせられました。
45節 死はわたしたちの先祖に及びました。それでも、わたしたちは彼らを知っており、否定することはできません。まことに、わたしたちはすべての中の最初の人、アダムさえも知っています。
46節 わたしたちは、神の指によって示された手本に従って、わたしたちの中で覚えの書を記してきたからです。それはわたしたちの言葉で述べられています。」
47節 エノクが神の言葉を語ると、民はおののき、彼の前に立っていることができなかった。
48節 エノクは彼らに言った。「アダムが堕落したので、わたしたちは存在しています。そして、アダムの堕落によって死が生じ、わたしたちは不幸と災いを受ける者とされているのです。
49節 まことに、サタンは人の子らの中にやって来て、彼を拝むように誘惑します。そして、人々は肉欲や官能におぼれ、悪魔に従う者となって、神の御前から締め出されています。
50節 しかし、神はわたしたちの先祖に、すべての人が悔い改めなければならないことをお知らせになりました。
51節 神は御自身の声によって、わたしたちの先祖アダムに呼びかけて言われました。『わたしは神である。わたしは世界を造り、また人々を、彼らが肉体にある前に造った。』
52節 神はまた彼に言われました。『あなたがわたしに心を向け、わたしの声を聞き、そして信じ、あなたのすべての背きを悔い改め、まことに水の中で、恵みと真理に満ちている独り子、すなわちイエス・キリストの名によって、すなわちその名によって人の子らに救いが及ぶ、天下に与えられる唯一の名によってバプテスマを受けるならば、あなたは聖霊の賜を受けるであろう。すべてのものをその名によって求めれば、何でも求めるものはあなたに与えられるであろう。』
53節 わたしたちの先祖アダムは、主に語って、『人が悔い改めて水の中でバプテスマを受けなければならないのは、なぜでしょうか』 と尋ねました。すると、主はアダムに、『見よ、わたしはエデンの園であなたの背きを赦した』 と言われました。
54節 このことから、『神の御子は最初のとがを贖われ、それによって両親の罪がその子供たちの頭に帰することはあり得ない。彼らは世の初めから罪がない』という言葉が人々の間に広まりました。
55節 主はアダムに語って言われました。『あなたの子供たちは罪のうちに宿されるので、まことに彼らが成長し始めると、彼らの心の中に罪が宿る。そして、彼らは善を尊ぶことを知るために、苦さを味わうのである。
56節 そして、善悪を知ることが彼らに赦される。それゆえ、彼らは自ら選択し行動するものである。そこで、わたしはあなたに別の律法と戒めを与えた。
57節 それゆえ、あなたの子供たちに次のことを教えなさい。すなわち、どこにいる人でもすべての人が、悔い改めなければならない。そうしなければ、決して神の王国を受け継ぐことはできない、すなわち、かみの前にすむことができないからである。アダムの言葉で、聖なる人とは神の名である。また、神の独り子の名は、人の子、すなわち、イエス・キリストであり、時の中間に来る義にかなった裁き主である。
58節 さて、わたしはあなたに戒めを与える。あなたの子供たちに次の事を率直に教えなさい。すなわち、
59節 背きによって堕落が生じ、その堕落が死をもたらす。あなたがたは水と血と、わたしが造った霊とによってこの世に生まれ、ちりから生けるものとなったので、まことにあなたがたは、水と御霊によって再び天の王国に生まれ、血によって、すなわちわたしの独り子の血によって清くされなければならない。それは、あなたがたがすべての罪から聖められ、この世において永遠の命の言葉を享受し、来るべき世において永遠の命、すなわち不死不滅の栄光を享受するためである。
60節 それは、あなたがたが水によって戒めを守り、御霊によって義とされ、地によって聖められるからである。
61節 それゆえ、天の記録、慰め主、不死不滅の栄光の平和なること、すべてのものの真理、すべてのものを生かし活気づけるもの、すべてのことを知っており、知恵と哀れみと真理と公正と公平によって一切の権威を持つものが授けられて、あなたがたの内にとどまる。
62節 さて見よ、わたしはあなたに言う。これが、時の中間に来るわたしの独り子の血によってすべての人に与えられる救いの計画である。
63節 見よ、すべてのものにはそれに似たものがある。すべてのものは、現世にかかわるものも霊にかかわるものも、わたしのことを証するために創造され、造られている。すなわち、上の天にあるもの、地の上にあるもの、地の中にあるもの、地の下にあるもの、上のものも下のものも、すべてのものがわたしを証するのである。』
64節 このように主がわたしたちの先祖アダムと語られたとき、アダムは主に叫び求めました。すると、彼は主の御霊に連れ去られ、水の中に運ばれ、水に沈められ、そして水から連れ出されました。
65節 このようにして、彼はバプテスマを受け、神の御霊が彼に降られました。このようにして、彼は御霊によって生まれ、内なる人において生かされた者となったのです。
66節 そして、彼は天からの声が告げられるのを聞きました。『あなたは火と聖霊によってバプテスマを受けた。これは今から後とこしえに、父と子の証である。
67節 あなたは、永遠から永遠にわたって、日の初めもなく年の終わりもない者の位に従う者である。
68節 見よ、あなたはわたしにあって一つであり、神の子である。このようにして、すべての者はわたしの子となることができるのであるアーメン。』」



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