レビ記 第20〜25章研究解読



第24章17〜22節



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2004/ 3/ 1  第24章17〜22節 UP



第24章17〜22節

17節 だれでも、人を撃ち殺したものは、必ず殺されなければならない。
18節 獣を撃ち殺したものは、獣をもってその獣を償わなければならない。
19節 もし人が隣人に傷を負わせるなら、その人は自分がしたように自分にされなければならない。
20節 すなわち、骨折には骨折、目には目、歯には歯をもって、人に傷を負わせたように、自分にもされなければならない。
21節 獣を撃ち殺した者はそれを償い、人を撃ち殺した者は殺されなければならない。
22節 他国の者にも、この国に生まれた者にも、あなたがたは同一のおきてを用いなければならない。わたしはあなたがたの神、主だからである』」。


 20節の「目には目、歯には歯」という部分は多くの人々から、モーセの律法の本質を短くまとめたものと考えられるようになってきています。この誤解は非常に不幸なことです。そのために、この律法がいかにも冷徹で融通も利かず、復讐心に燃えているものであるかのように感じられるからです。このような誤った考え方は、社会法と刑法を区別できなかったために生まれました。社会法というのは愛と隣人に対する関心がその基礎になっていました(レビ19章18節)。刑法というのは、その愛の枠外にあったわけではありませんが、絶対的な正義の強調にその中心があり、しかしながらこの目には目の原則の適用については、次の3点に注意しておく必要があります。

 第1に、この律法が定められた目的は、正義を厳正に行うためであって復習のためではありません。第2に、これは個人的な復讐ではなく、公の処罰でした。第3は、賠償金を取ることのできる罪から殺人を除外するすることによって(民数記35章31節)、損害の償いに当たっては、罰金という形を取ることがだんだんと一般化してきたものであるということです。

 懲罰と応報を求めるその同じ律法が、一方では農夫に、貧しい者が来て落ち穂拾いができるように、畑の一部を刈り入れをしないで残しておくように求めたり(レビ19章9〜10節、23章22節)、雇用者に、日雇い人の賃金を翌朝まで待たずにその晩のうちに支払うようにと命じていたり(レビ19章13節)、「あなたは心に兄弟を憎んではならない(レビ19章17節)」、と戒めていたり、そしてそのような考え方を「聖なる者とならなければならない(レビ20章7節)」と要約していたりしています。




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