ダビデの家計図 ソロモンの偉大な業績と悲劇 イザヤの世界



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2004/ 3/ 6  ソロモンの偉大な業績と悲劇 UP


 この列王記には、ダビデ王の4番目の息子アドニアの反乱(紀元前1015年頃)から、ユダが最終的に捕囚となるまで(紀元前586年頃)のイスラエルの歴史と、北のイスラエル王国と南のユダ王国の分裂からアッシリアによって、北の地に連れ去られて補囚となるまでの北の王国(イスラエルの10氏族)の歴史が記録されています。

 第1章には、ダビデの晩年に起きたソロモンの母バテシバと預言者ナタン及び祭司のザドクらによる、アドニアに対する警戒と行動が描かれています。
 第2〜5章には、ソロモンの王としての活躍が書かれてあり、一人の子をめぐって二人の女が言い争うのを見て、王の中にある神の知恵によって裁きをする有名な話が記されています。
 第6〜9章には、神殿の建設やその調度品について詳しく書かれてあり、8章はソロモンが契約の箱を移動するにあたっての状況が記録されています。
 第10章には、「シバの女王」の訪問の様子について書かれています。
 第11章は、ソロモンの罪とその結果がかかれています。
 第12〜16章には、ソロモンの後を継いで王となったレハベアムヤラベアムのことが述べられています。ヤラベアムはイスラエル王国の分裂を引き起こした張本人です。
 第17〜21章には、イスラエル王国の王アハブへの勧告など、預言者エリヤの働きの一部が書かれています。
 第22章は、アハブとユダ王国の王ヨシャパテが同盟して起こしたシリアとの戦争の記録です。その時の預言者であるミカヤは、戦争を起こした王たちに下る災いを預言しています。






ソロモンの偉大な業績と悲劇


 ソロモンの業績は旧約聖書の他の人と同じように、その前途に対する素晴らしい約束から始まっています。イスラエルはやがてアブラハムに約束されていた領土を手にして、ソロモンは治世の間、平和が続くと神から約束されました。神は若き王の夢に現れて、「あなたに何を与えようか(列王記上3章5節)」 と言われ、神の前にへりくだり献身的に働くソロモンは知恵を求めて、豊かな報いを受けました(列王記上4章29〜30節)。
 ある教会役員は、「聞き分ける心」を得るように勧めています。

 「ソロモンが主に願ったことが御心にかなったのであれば、もしわたしたちが『聞き分ける心』を求めたとしても、やはり主の御心にかなうはずである。これは、信仰と固い決意をもって心から努力することによって得られるものである。『聞き分ける心』は、わたしたちが神の戒めに従って歩むならば、日常生活で経験する様々な事柄を通してもたらさられる・・・。・・・この世の病弊は『聞き分ける心』によって癒される。戦争はなくなり、犯罪は姿を消す。人間同士あるいは国同士の不信感のために、世界中で無益な用い方をされている科学知識が、人類に祝福をもたらすために転用されるようになる。原子力エネルギーは、『聞き分ける心』によって平和利用のために用いられるのでなければ、破壊をもたらす。

 職場の人間関係、すなわち経営者と労働者、管理者と管理される者の関係においても、もっと『聞き分ける心』が必要である。『聞き分ける心』があれば、結婚生活に幸福感がもたらされ、離婚はなくなるであろう。憎む心は破壊的であるが、『聞き分ける心』は建設的である。わたしたちはソロモンのように祈ることができればと思う。『主よ、わたしに聞き分ける心を与えてください』」。

 ソロモンは物質的なものに対する愛着と、建設者としての自分の業績におぼれて、神に対する献身的な心を失っていきました。確かにソロモンは神殿の建設では大きな名声を得て、その奉献式では生涯で最も霊的に高揚した時を迎えます。しかしその後、シバの女王をはじめとする外国からの訪問者は、ソロモンと会見したときに、彼の高潔さや知恵についてはほとんど語らず、むしろ途方もない建築物にについて驚嘆と畏敬の念を表しました。それらの賛辞はソロモンの心に大きな影響を与え、人々の賞賛を追い求める名誉欲を助長させてしまいます。ソロモンはさらに豪壮な建物を建築するすることを決意して、そのために民衆から重い税を取り立てることになり、そのおかげで人々はこの税のために貧苦に陥りました。

 サムエルは、王政に伴う様々な弊害についてイスラエルに警告しましたが、その1つ1つが現実のものとなります(サムエル上8章11〜18節)。財政上の過ちは、統一イスラエルの基盤を根底から揺るがしたほど大きなものです。全ての人が「聞き分ける心」を持てるようになる場合や、ある程度の物質的な繁栄に至った場合には、次の3つの点に対して敏感になる必要があります。


高ぶる心
富の誤用
この世のものへの執着


 ソロモンを悩ませて、堕落へと追いやったのはこの3つの罪が原因でした。ソロモンは多くの物質的祝福を受けたからと普通の人は考えがちですが、この問題は富の大小にかかわらず、人であれば誰でも直面する問題です。すなわちこれは、ソロモンと一般の人の共通点であり、


あることでは正しい決断を下しながら、他の面で自分を滅ぼす愚かな決断を下してしまう場合がある


ことを示しています。



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