ハガイ書 研究解読



第1章7〜11節



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2000/ 9/ 1  第1章7〜11節 UP



第1章7〜11節

7節 万軍の主はこう言われる、あなたがたは、自分のなすべきことを考えるがよい。
8節 山に登り、木を持ってきて主の家を建てよ。そうすればわたしはこれを喜び、かつ栄光の
うちに現れると主は言われる。
9節 あなたがたは多くを望んだが、見よ、それは少なかった。あなたがたが家に持ってきたとき、
わたしはそれを吹き払った。これは何ゆえであるかと、万軍の主は言われる。これはわたし
の家が荒れはてているのに、あなたがたは、おのおの自分の家の事だけに、忙しくしている。
10節 それゆえ、あなたがたの上の天は露をさし止め、地はその産物をさし止めた。
11節 また、わたしは地にも、山にも、穀物にも、新しい酒にも、油にも、地に生じるものにも、人間
にも、家畜にも、手で作るすべての作物にも、ひでりを呼び寄せた」。


 エルサレムのユダヤ人はハガイから「自分のすべき事を考えるがよい」と言われました。彼らは神殿を再建するという神から与えられた責任を拒んでしまいます。確かにサマリヤ人の妨害もあって難しい状態ではありました。しかし神の命令を心に留めなければ、神は繁栄することを祝福してはくれません。神は民の貧困と土地の貧しさを、神の家を再建せよとの命令に従わないせいだと言っています。このことを現代にもあてはめてみることができます。もし、今自分が何かに煮詰まっているのなら、この聖句の意味を自分にあてはめてみましょう。ほんとうは克服しなければならない自分の問題を先送りにしてはいないでしょうか。聖書を読んでいて、自分が戒められる事柄を発見した時に、見ない振りをしてはいないでしょうか。おそらく神はその「問題」克服する努力を始めた時に、最大の祝福を送ることでしょう。

 ある教会役員は、「なすべきことをよく考えるがよい(5節)」というハガイの勧告の普遍性を語っています。

 「『それで今、万軍の主はこう言われる、あなたがたは自分のなすべきことをよく考えるがよい。あなたがたは多くまいても、取り入れは少なく、食べても、飽きることはない。飲んでも満たされない。着ても、暖まらない。賃金を得ても、これを破れた袋に入れているようなものである。万軍の主はこう言われる。あなたがたは、自分のなすべきことを考えるがよい(5〜7節)』。私はこのすばらしい聖句を読み、この旧約聖書の予言者が、現代の状況をなんと明確に描写していることかといまだに感銘を受けている。私たちは毎日のように、ほとんど益のないものに投資する人々について見聞きしている。精白されて栄養に欠ける食物を食べている。飲む者の渇きをいやすことのない飲み物を口にしている。暖かさや快適さ、慎みよりも流行で服を選び、昨今の高賃金をもってしても満足できず、必要は満たせない。

 ある著名な歴史家が数年前にローマ帝国崩壊の原因を次のように要約していた。


家庭の崩壊と離婚の急増。
税金引き上げの悪循環と浪費。
際限のない快楽の追究とスポーツの暴力化。
無数に枝分かれし、混乱して、一貫性のある規範を失った宗教の凋落。


 物に対する打ち勝ちがたい欲望と飽くなき欲求は、歴史に何度も繰り返されてきた道へ、私たちを導いていくように思われる。歴史的に見ても、貧欲、肉欲、欲心は、人間を浪費と破滅と災難に導くだけであった。ある教会指導者はこう書いている。『所有物、比較的富んでいようが貧しかろうが、物質的な環境というもの、心を奪い、憧れの的なりがちなもの ― ときに幸福を犠牲にし、真の成功を妨げても、獲得のために汗して努めるもの、― これらは結局、勘定の時が来て、利用度に従って価値をはかられるときには、余計なぜいたく品なのである。』」



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