モーセの律法の犠牲とささげ物





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2005/ 4/25 儀式表UP



 旧約聖書には様々な儀式がありますが、多くはモーセの時代に定められたものです。モーセは神から律法を授かり、その中で儀式の意味とその方法を提示されました。下の表はそれらをまとめたものです。



儀式の名称と
ささげ物の形式
儀式に使われる表象物 儀式の目的 行われる時期
燔祭
レビ記1章6、9〜13節
(これはアダムから代々
族長が行ってきた犠牲
の儀式の別称である。)
傷のない雄の動物
(出エジプト記12章5節、レビ記1章3節、22章18〜25節、民数記28章3〜4節、申命記15章21節、17章1節)

当初は最初に生まれた「ういご」をささげた(創世記4章4節、出エジプト13章12節、レビ記27章26節、民数記3章41節、18章17節、申命記12章6節、15章19〜21節)

動物の種類は、犠牲をささげる理由と同じように、個人の社会的地位や貧富の度合いに応じて様々であり、雄牛、雄羊、雄やぎ、山ばと、家ばとのひながあった(レビ記1章5節、10節、14節、5章7節、創世記15章9節)
やがてこの世に贖い主として降臨する独り子、全人類の為に犠牲となるイエス・キリストのひながたとするものである。
(モーセ5章7節、レビ1章4節、9節、14章20節、ヘブル9章14節、ペテロ第11章19節)
公的なささげ物
定期的

毎日 - 朝と夕にささげる
(出エジプト29章38〜42節、民数記28章3〜4節)

安息日 - 2倍ささげる
(民数記28章9〜10節)

第1日 - 毎月ささげる
(民数記28章11〜15節)

季節ごと

 過越と種入れぬパンの祭。刈り入れの祭と仮  庵の祭。新年と贖罪の日に行う。
酬恩祭
レビ記3章7節、
 11〜13節
傷のない雄または雌の動物(レビ記3章1節)。牛、羊、またはやぎが使用され、鳥やその他の動物に代えることはできない(レビ記7章22〜27節)。 酬恩祭には次の3つの目的がある。
感謝の犠牲は、あらゆる祝福について神に感謝するために捧げるものである。(レビ記7章12〜13節、15章22、29節)。

誓願の犠牲(レビ記7章16節、22章18節、21節、23節、民数記15章3節、8節、29章39節、申命記12章6節)は、誓いや聖約を交わす、または新たにすることを意味する。

自発の犠牲(レビ記7章16節、22章18節、21節、23節、民数記15章3節、29章39節、申命記12章6節、17節、16章10節、23章23節)は、責任と結果を伴なう聖約を自発的に受け入れることを示す。

上記のいずれか一つの目的、または複数の目的のために犠牲がささげられた。
これらは家族や個人のための私的なささげ物、または個人的なささげ物に限られる。上記「私的なささげ物」を参照。
罪祭
レビ記4章5節、
4章1〜13節
6章25〜30節
傷のない雄または雌の動物か鳥。ささげる人の社会的地位や経済状況によって決まる。

祭司は雄の子牛(レビ記4章3節、民数記8章8節)、民の司たる者は雄のやぎ(レビ記4章22〜23節)、一般の人は雌のやぎ(レビ記4章27〜28節)、貧しい人は山ばと2羽あるいは家ばとのひな2羽(レビ記5章7節)、極度に貧しい人は麦粉(レビ記5章11節、民数記15章20〜21節)。ささげ物は火で焼却せず、レビに属する権能(レビ神権)人が犠牲の食物として食べる。肉と皮はこのレビ神権者に帰する(レビ記6章25〜30節、7章7〜8節、14章13節)。
罪祭は、誤って犯した罪(レビ記4章2節、22節、27節)、会衆が知らずに誤って犯した罪(民数記15章24節)、誓いや聖約を破った罪(レビ記5章1節、4〜5節)、肉に関する戒めの律法により汚れた祭儀上の罪(レビ記5章2〜3節、12章1〜8節、15章28〜30節)のためにささげる。

罪祭の目的は、罪を犯した人に備えさせ、真に悔い改めた後に、聖約を新たにすることである(レビ記4章26節、35節、5章10節、10章17節、民数記15章24〜29節)。今日では、聖餐を取ることによって、これと同じ祝福にあずかることができる。
全会衆のための特別な罪祭は贖罪の日にささげられる(出エジプト30招10節、レビ記16章3節、6節、11節、15〜19節)。

そのほかの罪祭は私的または個人的なもので、多くは定められたときにささげられた。
愆祭(けんさい)
レビ記5章15〜19節
6章1〜7節
7章1〜10節
傷のない雄牛(レビ記5章15節、18節、6章6節、19章21節)。またナジル人も小羊をささげる(民数記6章12節)。 愆祭は、他の人に対して犯した次のような罪のためにささげる。

偽証(レビ記6章2〜3節)、不正な手段による財産の強奪(レビ記6章4節)、聖なるものに対する不敬(レビ記5章16〜17節)、情欲による行為(レビ記19章20〜22節)。

愆祭の目的は赦しをもたらすことであるが、それには十分に悔い改め、償いの律法が求めることをできる限り行う必要がある。また、罪を犯した人は、罪のために失われた物にその20%を加えて償わなければならないとされている(レビ記5章16節、6章5〜7節、27章13節、15節、19節、27節、31節、民数記5章6〜10節)。
愆祭はすべて私的または個人的なものであり、そのほとんどは定められた祭のときにささげられた。
素祭
出エジプト29章40〜41節
レビ記2章
レビ記6章14〜23節
7章9〜10節
民数記15章4〜24節
種を入れないパン。
主体となる麦粉に混ぜてよいものは塩(レビ記2章13節)、油(レビ記2章5節)、乳香(レビ記2章15節)であり、パン種と蜜は使えない(レビ記2章11節)。しかし焼き方や揚げ方は様々であった。
素祭は、燔祭や酬恩祭の犠牲の食物として備えられ、それをささげる祭司に帰する(レビ記6章18節、7章8〜10節)。 素祭や燔祭は酬恩祭とともにいつもささげられる。また、貧しい人は罪祭の代わりにささげることもできた。
挙祭または遥祭
出エジプト29章26〜27節
レビ記7章14節、
7章32〜34節
民数記18章19節
酬恩祭の犠牲の右のももは挙祭として、胸は遥祭として、儀式を執り行う祭司に捧げられた。
レビ人は神から授かった権能の務めに対して、挙祭や遥祭、素祭、什分の一(民数記18章)を受ける場合、その一部を記念の分として主にささげるように求められた(レビ記2章2節、9節、16節、5章12節、6章15節、民数記5章26節、18章26〜29節)。

「挙祭」とか「遥祭」という名称は、ささげ物を持ち上げたり、揺り動かしたりして主に代わってそれを受け取る祭司に向かって差し出す動作からきている。
これは祭司の受ける分である(レビ記7章35〜36節、申命記18章1〜8節)。

この記念のささげ物は、酬恩祭や主(イエス・キリスト)に対する感謝のささげ物の典型だけではなく、全能の神を常に覚えて仕えることの象徴でもあった。レビ人はその務めと奉仕に対してすべての犠牲の動物の皮も受けた(レビ記7章8節)。
燔祭や酬恩祭をささげるときにささげられた。また、ささげ物をするときにささげた。
儀式の名称と
ささげ物の形式
儀式に使われる表象物 儀式の目的 行われる時期




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