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2000/ 9/19  序文追加


 使徒パウロがエペソの聖徒たちにあてた手紙です。
 この手紙は、キリストの教会についてのパウロの教えが含まれている点で、非常に重要なものと言われています。

 第1章には通常のあいさつです。
 第2〜3章には、人々が教会員となるとき、すなわち一つの教会の中で異邦人とユダヤ人が一致し、聖徒たちと同じ国籍の者となるときに、彼らに生じる変化が説明されています。
 第4〜6章には、使徒と預言者の役割や一致の必要性、神の武具を身につけなければならないことが説かれています。



 この手紙のテーマを判断することは難しいと言われます。パウロが書いた手紙とは違って、偽りの教義や誤った慣習をを指摘するために書かれたものではないからです。この手紙には単に悔い改めを述べるにとどまらず、もっと霊的に深い考えが記されています。これは十分な理解力を備えた教会員に宛てられたと考えられています。従って、深い意味のある教が記されています。あえてそのテーマを要約するとすれば、教会の一致と友情を図るためにこの世の事柄からどのように離れればよいかを教えてくれるということでしょう。新約聖書の中で最も美しい言葉が幾つも記されてあり、真の聖徒は悪の力に立ち向かう神の力をここから得ているのでしょう。

 エペソ人への手紙は、一般に獄中書簡のひとつであるとされています(3章1節、4章1節、6章20節)。これはこの手紙の書かれた場所と時を正確に知る上で役に立っています。この手紙はパウロの最初の投獄中にローマで書かれたものであるということで、学者の意見は一致しています。それは紀元61年か62年のことであると言われています。新約聖書の中で、この書ほど教義的に多くのものが記されているものはありません。この書には予任の教義や後のキリストによる教会の設立、教会における使徒や予言者の重要性、真の教会はただひとつであるという考え方、教会の組織が必要であるという教義が見出されています。

 また、家族の役割や正しい家庭生活を送ることの重要性に関しての尊い教えも幾つか記されていて、ある教会指導者は次のように述べています。「エペソ人への手紙は、ユダヤ人であると異邦人であるとを問わず、夫であると妻であるとを問わず、親であると子であるとを問わず、また主人であると僕であるとを問わず世の人々すべてに宛てて書かれたものである。それはパウロの時代の神のみこころであり、私たちの時代に関する霊感の声である。そして全ての人々に訴え適用する手紙である。」



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