エレミヤ書 第50〜52章研究解読



第50章
第52章28〜30節



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2004/ 6/ 3  第52章28〜30節 UP
2004/ 6/ 2  第50章 UP



第50章

1節 主が預言者エレミヤによって語られたバビロンカルデヤびとの地の事についての言葉。
4節 主は言われる、その日その時、イスラエルの民とユダの民は共に帰ってくる。彼らは嘆きながら帰ってくる。そしてその神、主を求める。
19節 わたしはイスラエルを再びその牧場に帰らせる。彼はカルメルとバシャンで草を食べる。またエフライムの山とギレアデでその望みが満たされる。
20節 主は言われる、その日その時には、イスラエルのとがを探しても見当らず、ユダの罪を探してもない。それはわたしが残しておく人々を、ゆるすからである。
34節 彼らをあがなう者は強く、その名は万軍の主と言われる。彼は必ず彼らの訴えをただし、この地に安らぎを与えるが、バビロンに住む者には不安を与えられる。
41節 見よ、一つの民が北の方から来る。大いなる国と多くの王が地の果てから立ち上がっている。
43節 バビロンの王はそのうわさを聞いて、その手は弱り、子を産む女に望むような痛みと苦しみに迫られた。
46節 バビロンが取られたとの声によって血は震い、その叫びは国々のうちから聞こえる」。


 50章のエレミヤの預言は、散乱したイスラエルが受け継ぎの地へ再び戻ることが告げられています。受け継ぎの地へ来た人々は神を求めて、破られることのない永遠の聖約を神と結ぶと記されています。北の地からの大きい国々(9節)について、聖書学者クラークは次のように解釈しています。

 「クロスの軍隊はメデア人、ペルシャ人、アルメニア人、カデシ人、サカエ人などで編成された。これらは皆北から来たのではないが、バビロンに関しては、北出身のメデア人に統制されていた。」

 これらの攻略軍によってイスラエルは「追われて散った羊(17節)」バビロンの王ネブカデネザルはやがて罰せられてしまいます。しかし近い将来イスラエルは再び譲りの地へ返され(19節)、赦されます(20節)。この「赦す者」とは「万軍の主」である御子、キリストのことを指しており、彼によって世の人々の訴えを取り上げて正しい裁きをし、バビロンに住む者、つまり「バビロンの出す物に執着する者」には厳しい裁きが待っているので不安が消えないことを意味しています(34節)。41〜46節はバビロンの崩壊について記されています。周辺の国には、バビロンは不滅と思われていたので非常な驚きとなりました。ここではバビロンは1つの国家としてだけでなく、この世と霊的邪悪の象徴として描かれています。




第52章28〜30節

28節 ネブカデレザルが捕え移した民の数は次のとおりである。第七年にはユダヤ人三千二十三人。
29節 またネブカデレザルはその第十八年にエルサレムから八百三十二人を捕え移した。
30節 ネブカデレザルの二十三年に侍衛の長ネブザラダンは、ユダヤ人七百四十五人を捕え移した。この総数は四千六百人であった。


 エレミヤ書の最後の章は、それまでの歴史的記述(39章)のまとめであり、バビロンにおけるエホヤキン王の待遇改善(31〜34節)といった、もっと後の出来事の記録となっています。エレミヤはエジプトに連行されてバビロンの地へは行ってないので(43章6〜7節)、この章がエレミヤが書いたという説は誤りである可能性があって、この章はエレミヤの筆記者バルクが付け加えたのではないかと考えられています。ただこの章には、ネブカデネザルが捕囚して行った人々の数が記されあり、捕囚に関する数少ない情報源となっています。ここに記されている人は20歳以上の男子だけなので、女性、子ども、男女のしもべや奴隷の数を入れるともっと多くなります。(列王記下24〜25章、エレミヤ39章)




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