聖書注解「や」行





聖書用語「や」



ヤイル

 旧約聖書に記されている、トラの後に士師(さばきつかさ)となった人物です。22年間イスラエルを治めました(士師記10章3〜5節)。

約束の地

 旧約聖書のアブラハムに与えると約束した場所です。(ヨシュア記第1章4節

ヤコブ(アルパヨの子)

 イエスが伝道をしていたときに選ばれた12使徒の一人です。兄弟に同じ使徒のマタイがいます(ルカ6章15節、マタイ10章3節、マルコ3章18節、使徒1章13節)。ヤコブという名は多かったのでこのヤコブは「小ヤコブ」と呼ばれていました。

ヤコブ「イスラエル(イサクの子)」

 旧約聖書中に記されている紀元前1822年頃の族長で、イサクリベカの間に生まれた双子のうちの弟であり、預言者です(創世25章17〜26節)。ヤコブは兄エサウに変わって長子の特権を得ました。これはヤコブが神の命令を守って、聖約による結婚をした結果です。一方、エサウは長子の特権を軽んじ、聖約外の結婚をしています(創世25章30〜34節、26章34〜35節、27章、28章6〜9節、ヘブル12章16節)。12人の息子の内レビを除いた11人、ルベンシメオンユダゼブルンイッサカルガドアセルダンナフタリベニヤミンヨセフの2人の息子マナセエフライムは、イスラエルの12部族の祖先となっています。

 ヤコブはヨセフをたよってエジプトの地で17年過ごし、147歳で死んだ後にエジプトから祖父アブラハムの葬られた墓に運ばれて埋葬されました(創世記47章7〜10節、27節〜50章14節)。聖書中に度々記される「ヤコブの家」とは、ヤコブの種族、イスラエルの種族のことを指しています。

 「リベカはエサウがヤコブに仕えるようになることを神から知らされた。(創世25章23節)」、「エサウから長子の特権を買った(創世25章29〜34節)」、「天に通じる梯子の夢を見た(創世28章)」、「レアとラケルと結婚した(創世29章1〜30節)」、「12人の息子と1人の娘をもうけた(創世29章31〜30章24節、35章16〜20節)」、「ビルハとジルパと結婚した(創世30章3〜4、9節)」、「天使との格闘の末、
名をイスラエルとするように言われた創世32章28節)」、「顔と顔を合わせて神を見た(創世32章30節)」、「自分のどの子よりもヨセフを愛した(創世32章30節)」、「家族とともにエジプトに行った(創世46章1〜7節)」、「息子たちとその子孫に祝福を与えた(創世49章」、「ヤコブの死(創世49章33節)」。

ヤコブ(イエスの兄弟)

 イエス・キリストの選んだ12使徒の1人で、母はマリヤイエスの兄弟です(ガラテヤ1章19節)。ほかにもヨセフ、シモン、ユダという名の兄弟と幾人かの姉妹がいました(マタイ13章55〜56節、マルコ6章3節、ユダ1章1節)。彼はまた、義人ヤコブとしても知られており、エルサレムの教会で重要な地位にありました(使徒12章17節、15章13節、1コリント15章7節、ガラテヤ2章9〜12節)。新約聖書の「ヤコブの手紙」は彼の書いたものと言われています。

ヤコブ(ゼベダイの子)

 イエス・キリストが伝道をしていたときに選ばれた12使徒の一人です。(マタイ10章3節、マルコ3章18節、ルカ6章14節、使徒1章13節)。兄弟には同じ12使徒に選ばれたヨハネがいます。彼らはイエスによってボアネルゲという名を付けられました。ヤイロの娘の蘇生(マルコ5章37節)や、イエスの変貌(マタイ17章1節、マルコ9章2節、ルカ9章28節)、ゲッセマネの祈り(マタイ26章37節、マルコ14章33節)など、幾つかの重要な場面にイエスと共にいるように選ばれた3人の使徒の1人です。ヘロデ・アグリッパ1世によって殺されました(使徒12章1〜2節)。ヤコブは、ペテロと兄弟ヨハネと共に、旧約時代の族長が持っていた神の権能を近代に回復しています。

ヤシャルの書

 古代イスラエルにおける英雄的な行為を記した書物であると考えられています。(ヨシュア第10章13節

ヤハウェ

 ヘブライ語で「」を表す言葉です。元々聖書は子音だけで書かれており、「YHWH」に母音を付けて「YaHWeH」とし「ヤハウェ」と読むようにしました。このHPでヤハウェとは、「子なる神イエス・キリスト」として扱っています(コロサイ1章15〜20節)。

ヤバル

 旧約聖書に記されているカインの子孫、レメクの息子です。母はアダ、弟はユバルで、異母兄弟にトバルカインがいます。(創世記第4章17〜22節)。

ヤペテ

 旧約聖書中の人物で預言者ノアの息子です(モーセ8章12節、創世記5章32節、第6章10節10章、10章21節)。聖書ではヤペテの兄がセムとなっていますが、モーセの書ではヤペテが兄となっています。ヤペテの子らは、ゴメル、マゴク、マダイ、ヤワン、トバル、メセク、テラスがいます。(歴代上1章5節、エゼキエル第38章2〜6節)。

 「ノアはヤペテをもうけた(創世記5章32節)」 「ヤペテとその妻は箱船に入った(創世記7章13節)」 「箱船から出たノアの子らはセムハム、ヤペテであった(創世記9章18節)」 「ヤペテを大いならしめ(創世記9章27節)」

ヤラベアム

 イスラエルが分裂してできた北王国初代のエフライム族出身の王で、紀元前931〜909年の間に統治しました。邪悪なヤラベアムはユダの家とダビデの家に対する反乱を指揮しています。彼は、民が礼拝するようにダンとベテルに偶像を置き(列王上12章28〜29節)、その頃ヤラベアムの子が病気になったので、妻に他人を装って預言者アヒヤの元に行きましたが偶像崇拝の故に叱責されています(列王上14章6〜16節)。このヤラベアムの名はイスラエルを邪悪な状態に導いたことで名を知られてました。死んだ後は息子ナダブが王となっています(列王上12章25節〜14章20節)。(イスラエル王国とユダ王国の統治者

ヤラベアム2世

 紀元前782〜753年の41年間に父ヨアシに代わってサマリヤでイスラエルを統治した王です(列王下14章23節)。ヤラベアムは先祖ヤラベアムの道に従って神に背き、死んだ後は息子ゼカリヤが王となりました(列王下14章23〜29節)。(イスラエル王国とユダ王国の統治者

ヤレド

 旧約聖書に登場する族長で、マハラレルが65歳の時に生んだ息子です。ヤレドは162歳になってエノクを生み、962歳で死にました(創世5章18節)。

ヤワン

 旧約聖書中の人物、ヤペテの四男でエリシャ、タルシシ、キッテム、ロダニムという子らが記されています(創世記10章歴代志上1章7節)。古代の族長たちの名はそのまま都市名となっていることが多くあります。エリシャ(エゼキエル27章78節)、タルシシ、キッテム、ロダニムも都市の名として記されています。

ヤワン

 現在のギリシアの古名です。ノアの3人の息子の1人ヤペテの子ヤワンの名が都市の名前となっています(エゼキエル書第27章5,10,13〜14、16節)。

ヤンネとヤンブレ






聖書用語「ゆ」行



ユスティヌス

エズラ記10章19節

ユダ(イエスの兄弟)

 新約聖書中の人物で母はマリヤイエスの兄弟の一人です。ユダの手紙の著者と考えられています(マタイ13章55節、ユダ1章1節)

ユダ(イスカリオテ)

 新約聖書中の人物で、イエスが召した12使徒の一人です(マタイ10章4節、マルコ14章10節、ルカ6章13〜16節、ヨハネ6章71節、12章4節)。彼の姓であるイスカリオテは「ケリオテの人」という意味で(ヨシュア15章25節)、ユダの部族の出身であり、当時の使徒の中でガリラヤ人でなかったのは、このユダだけでした。イエスを売り渡した有名な人物として知られています。
 参考箇所は、「祭司長たちにキリストを引き渡して銀貨30枚を受け取った(マタイ26章14〜16節、ゼカリヤ11章12〜13節)」、「接吻してイエスを裏切った(マタイ26章47〜50節、マルコ14章43〜45節、ルカ22章47〜48節、ヨハネ18章2〜5節)」、「首をつって死んだ(マタイ27章5節)」、「サタンがユダに入った(ルカ22章3節、ヨハネ13章2、26〜30節)」、「ダビデはユダがイエスを裏切ることを預言していた(使徒1章16節、詩篇41篇9節)」。

ユダ(イスラエル)
 旧約聖書中の人物で、創世記のヤコブとレアとの間に生まれた4番目の息子です(創世記29章35節)。ヤコブはユダに、彼が自分の子らの中にあって生まれながらの指導者となり、シロ(キリスト)がその子孫から出るであろうとの祝福を授けています(創世記49章10節)。

ユダの部族・ユダ王国・ユダヤ人


 ユダの部族はカナンに定住した後、指導的役割を果たしています。モーセはユダの部族を祝福しており(申命記33章7節)、ソロモンの治世後、ユダとベニヤミン部族は「ユダ王国」、その他の部族は「イスラエル北王国」を建てました。ユダと肩を並べる部族の筆頭には、エフライムがあります。聖書中で「ユダ」と記してある場合は「ユダの部族」や「ユダ王国」を指すことが多くあります。ユダ王国に住んでいた人や、古代ユダヤ教を信じていた人を一般に「ユダヤ人」と呼びます。

ユダ(ヤコブの子)

 イエス・キリストが伝道をしていたときに選ばれた12使徒の一人です。(マタイ10章3節、マルコ3章18節、ルカ6章16節、使徒1章13節)。マタイ、マルコの両福音書には「タダイ」と記されていますが、ルカの福音書と使徒行伝には「ヤコブの子ユダ」と表記されています。また、ヤコブの子ではなく、「ヤコブの兄弟」であるとする説もあります。ヨハネ14章22節に記されている「イスカリオテのユダでない方のユダ」と言われているのは、このユダと言われています。アラビア語でレビアス「根」、ヘブライ語ではサデアス「カナン人」という意味です。紀元72年頃に磔にされて殉教したと言われています。

ユダヤ教

 キリスト教、イスラム教と同じく「旧約聖書」を経典とする宗教です。唯一神ヤハウェを神とするところは一部キリスト教と似たものですが、タルムードという注釈書を使用して独自の教えを説いているので、同じ名前の神を信じていても教義的には離れたものとなっています。イエス・キリストを謀殺したパリサイ派の流れを継承しています。

ユデテ

アブラハムの息子エサウの妻となった、ヘテ人ベエリの娘です。

ユバル

 旧約聖書に記されているカインの子孫、レメクの息子です。母はアダ、弟はヤバルで、異母兄弟にトバルカインがいます。(創世記第4章17〜22節)。。

ユフラテ、ユーフラテス川

 創世記第1章14節に出てくる、エデンの園から流れてくる第四の川の名前です。現在は西アジアのメソポタミア地方を流れる全長2800kmの大河となっています。トルコ共和国アナトリア高原から流れ、トルコ、シリア、イラクを流れてバスラ北方でチグリス川と合流してペルシア湾に注いでいます。下流域はバビロニアカルデアといった古代文明の発祥地で遺跡が多く見つかっています。





聖書用語「よ」行


ヨアシ(ユダ)

 紀元前835〜796年の40年間にアハジヤの母アタリヤに代わってエルサレムで祭司エホヤダによって宣言されたユダ王国の王です。母はべエルシバ出身でヂビアと言い、祭司エホヤダに教えられたヨアシは一生の間神の道に従いました(列王下12章1〜3節)。またヨアシは祭司エホヤダに命じて神の宮を修繕させています(歴代志下24章4〜14節)。家来に殺されてダビデの町に葬られた後は、息子アマジヤが王となりました(列王下12章20〜21節)。(歴代志下24章)(イスラエル王国とユダ王国の統治者ユダ王国歴代統治者)。

ヨアシ(イスラエル)

 紀元前798〜782年の16年間に父エホアハズに代わってサマリヤイスラエルを統治した王です(列王下13章10節)。彼は父と同じヤラベアムの道に従って神に背き(13章11節)、ユダの王アマジヤと戦って勝ってエルサレムに侵攻して王の財宝と多くの人質を率いてサマリヤに帰りました(歴代志下25章17〜24節)。サマリヤに葬られた後ヤラベアム2世が王となっています(列王下13章13節)。(イスラエル王国とユダ王国の統治者

ヨイアダ

旧約聖書ネヘミヤ記に登場する大祭司エリアシブの息子です(ネヘミヤ13章28〜31節)。

遥祭

 モーセが神に授かった律法の中の儀式です。燔祭や酬恩祭のときに行われるもので、犠牲の動物を祭司に渡す際にその犠牲の動物の胸部を揺り動かすといった儀式です。儀式の内容は、神やその独り子に対する感謝だけではなく、神を覚えて仕えるといったことも含まれています。(モーセの律法の犠牲とささげ物遥際)。

ヨエル書

ヨケベデ

旧約聖書中の人物です。アロンモーセの母であり、夫はアムラム、父はコハテです。

預言

 人が啓示によって聖霊から受ける神の霊感に満ちた言葉や記録のことをいいます。イエス・キリストの証は預言の霊となっています(黙示録19章10節)。預言の内容は、過去、現在、未来といった時間にとらわれることなく啓示されています。預言をすることを任命された人は、神がその人に知って欲しいと望んでいることを、自らのため、または人々のために語ったり記したりすることができます。預言は教会から任命された場合だけではなく、自分に関する生活などのための預言は自分自身で受けることができます。(サムエル上第2章1〜10節

 「主の民がみな預言者となることは願わしいことだ(民数記11章29節)」 「あなたがたのむすこ、娘は預言をし(ヨエル書2章28節、使徒2章17〜18節)」 「主なる神はそのしもべである預言者にその隠れた事を示さないでは、何事をもなされない(アモス書3章7節)」 「聖書の預言はすべて、自分勝手に解釈すべきでない(2ペテロ1章20節)」

預言者

 によって召され、神に代わって語る人です。神の使いとして神から戒めや預言、啓示を受け、その責任は人類に神の御心と真の属性を知らせること、人類に対する神の計らいの意図するところを示すことです。預言者は罪を非難し、罪のもたらす結果を予告する義の説教者でもあります。時には、人類ために将来について予告をするように霊感を受けますが、預言者本来の務めとは、キリストについて証をすることにあります。回復されたイエス・キリストの教会の代表者は、現在の地上における神の預言者であり、召された12使徒たちは預言者、聖見者、啓示者としての役割があります。

 主の民がみな預言者となることは願わしいことだ(民数記11章29節)。もし、預言者があるならば、主なるわたしは幻をもって、これにわたしを知らせ(民数記12章6節)。主はすべての預言者によってイスラエルを戒め(列王下17章13節、歴代志下36章15〜16節、エレミヤ7章25節)。あなたを立てて万国の預言者とした(エレミヤ1章5、7節)。主なる神はそのしもべである預言者にその隠れた事を示さないでは、何事をもなされない(アモス書3章7節)。聖なる預言者たちの口によってお語りになった(ルカ1章70節、使徒3章21節)。預言者たちは皆、キリストを証した(使徒10章43節)。神は教会を中で、人々を立てて、預言者とし(1コリント12章28節、エペソ4章11節)。教会は使徒たちや預言者たちという土台の上に建てられる(エペソ2章19〜20節)。


古代の預言者と聖見者 予言者の目

ヨシヤ

 紀元前640〜609年の31年間に父アモンに代わって8歳のときにエルサレムユダ王国を統治した王です。母の名はエデタといい、ヨシヤは先祖タビデの道に歩んで神に従いました(列王下22章1〜23章25節、歴代志下34章1〜13節)。ヨシヤ王の時代に大祭司ヒルキヤによって律法の書が発見されており(列王下22章8節、歴代志下34章10節)、それについて女預言者ホルダが預言しています(列王下22章14〜20節、歴代志下34章22〜28節)。エジプトの王パロ・ネコによって殺され、エルサレムに葬られた後に息子エホアハズが王となりました(列王下23章29〜30節、歴代志下35章22〜24節)。ヨシヤ王ほど神により頼んだ王はなく(列王下23章24〜25節)、預言者エレミヤは王の死を悼んで「哀歌」を作っています(歴代志下35章25節)。(イスラエル王国とユダ王国の統治者ユダ王国歴代統治者

ヨシャパテ

 紀元前870〜848年に父アサに代わってユダ王国で25年統治した王です。父よりも善行を行った王で、神はヨシャパテを栄えさせ国を強くしたので周辺の国は戦おうとはせず、大きな富と権力を使ってイスラエルの王アハブと縁を結んでいます(列王下18章1節)。この時代には神の僕であるイムラの子ミカヤがいました(列王記上22章41〜50節、歴代志下17章1節〜20章37節)。ヨシャパテはダビデの町に葬られた後、息子ヨラムが王となりました(歴代志下21章1節)。(歴代志下17章〜21章1節)。(イスラエル王国とユダ王国の統治者ユダ王国歴代統治者

ヨシュア

ヨセフ(アリマタヤ)

 アリマタヤのヨセフはサンヒドリンの議員であるとともに、キリストの弟子です。裕福で忠実なイスラエル人で、イエス・キリストへ言い渡した罪の宣告には関与していません。十字架の刑の後、ヨセフはイエスの遺体を綺麗な亜麻布で包んで、岩を掘って造った自分の墓に収めています(マタイ27章57〜60節、マルコ15章43〜46節、ルカ23章50〜53節、ヨハネ19章38〜42節)。

ヨセフ(マリヤの夫)

 イエスの母マリヤの夫ヨセフはイエスの父でダビデの血を引き(マタイ1〜16節、ルカ3章23〜38節)、ナザレに住んでいました。ヨセフとマリヤが結婚を間近に控えていたとき、マリヤは天使ガブリエルの訪れを受けて、救い主の母になる者として選ばれたことを告げられており、ヨセフも救い主の降誕について啓示を受けました(ルカ1章26〜25節)。ユダヤ人たちはヨセフをイエスの実の父親であると考えていたので、イエス自身もヨセフにそのように接しています(ルカ2章48節、51節)。夢の中で天使から警告を受けたヨセフは、エジプトへ逃れてまだ幼子であったイエスの命を守りました(マタイ2章13〜14節)。ヘロデ王の死後、天使はヨセフに、幼いイエスを連れてイスラエルに帰るように告げています(マタイ第1章1〜17節、2章19〜23節)。

ヨセフ(ヤコブの息子)
 旧約聖書中の人物で、ヤコブラケルの間に生まれた最初の息子です。ヤコブの子としては12番目、息子としては11番目ですが、長子ルベンが長子の特権を失ったので、ヤコブの2番目の妻の長子であるヨセフがその特権を得て、特別な祝福を受けました(創世記49章22〜26節)。おそらくヤコブが93歳頃の時に生まれたと考えられます(創世記47章9節)。17歳の時に兄たちによってイシマエル人に売られ、その後エジプトの王の役人であるポテパルに売られています(創世記37章28〜36節)。ヨセフは高潔で「さとく賢い」人物だったので(創世記41章39節)、ポテパルの妻の誘惑を拒んだことは、信仰、純潔、高潔の模範とされています(創世記39章7〜12節)。ヨセフはエジプトで兄たちに自分が誰かを明かした時に、彼らが行ったことを責めず、逆に感謝の気持ちを示しています。彼は兄たちの行いが、神の計画を成就する助けになったと信じていました(創世記45章4〜15節)。

 ヤコブはヨセフを深く愛して、彼のために長袖の着物を作りましたが(創世記37章3節)、彼の兄たちはねたみからヨセフを殺そうとしてしまい、結局はエジプトに行く途中の商人たちに売り渡してしまいました(創世記37章5〜36節)。神はエジプトでヨセフを栄えさせ、パロの役人であるポテパルの家をつかさどる者としています(創世記39章1〜4節)。ポテパルの妻は、ヨセフが美男子であるのを見て誘惑しましたが失敗に終わり、はらいせに無実の罪を被せて投獄してしまいました(創世記39章7〜20節)。

 しかし神はヨセフと共にいたので、彼を獄屋番にして(39章22節)彼はそこですべての事を行い、極屋につれてこられたパロの給仕役と料理役の夢を解き明かしています(創世記40章)。パロは自分の夢を解き明かしたヨセフを重んじるようになり、エジプト全国のつかさとしています(創世記41章14〜45節)。それを裏付けている証拠なのか、エジプト第15王朝(BC1674〜1567)は「ヒクソス」という歴代の王ではない人物がエジプトを支配しています(出エジプト1章8節)。

 ヨセフはマナセエフライムという2人の息子をもうけましたが(創世記41章50〜52節)、ヨセフの部族のことをそれぞれ、マナセの部族エフライムの部族と言う場合もあります。彼はエジプトの地で110歳で亡くなりました(創世記50章22〜26節)。ヨセフの遺骸はイスラエルの人々によってシケムの地に埋葬されています(ヨシュア24章32節)。

ヨタム

 紀元前750〜734(750〜732)年の16年間にウジヤ(アザリヤ)に代わってエルサレムユダ王国を統治した王で、ザドクの娘エルシャから生まれ、イスラエルの王と共同で統治したと考えられています。ヨタムは父ウジヤ(アザリヤ)の道に従って神の道を歩み、タビデの町に葬られた後は息子アハズが王となりました(列王下15章32〜38節、歴代志下27章)。(イスラエル王国とユダ王国の統治者ユダ王国歴代統治者

ヨナ書

ヨナダブ

 レカブ人に命じて酒を飲まないように、家を建てないように、ぶどう畑も持たないように命じたレカブ人の子孫です。その約束を守ったゆえに、レカブ人は神に祝福されました(エレミヤ第35章)。

ヨナタン

 旧約聖書中の人物サウルの息子で(サムエル上13章16節)、戦士として活躍していましたがペリシテ人との戦いで倒れました(サムエル上31章2節)。兄弟には王となったイシボセテがおり(サムエル下2章8節)、息子の名はメピボセテといいます(サムエル下4章4節)。彼はダビデを兄弟のように愛し、敵対していた父サウル王からダビデを守りました(サムエル上20章)。

世の終わり、前兆

キリストの再臨や再臨前に起こるとされている出来事です。天変地異やイスラエルの集合などが挙げられています(ハガイ書第1章7〜11節第9章5〜8節)。

 わたしは新しい地を創造する。さきの事はおぼえられることなく(イザヤ書65章17節、黙示録21章1節)。毒麦が集められて火で焼かれるように、世の終わりにもそのようになるであろう(マタイ13章40、49節、マラキ書4章1節)。

ヨハネ(ゼベダイの子)

 イエス・キリストの弟子の1人で、12使徒に選ばれています。多くの書簡を残して迫害された聖徒たちを励まし、捕らえられても奇跡的に助けられています。使徒たちの中で唯一殺されずに生き延び、現在は失われた10氏族の下で受け継ぎの地を継ぐべく準備をしていると考えられています。兄弟には同じ12使徒に選ばれたヤコブがいます。彼らはイエスによってボアネルゲという名を付けられました。ヨハネとはヘブライ語のヨハナンから来た言葉で、「エホバは恵み深い」という意味を持っています。
ヨハネによる福音書 第1の手紙 第2の手紙 第3の手紙 ヨハネの黙示録

ヨハネ(バプテスマ)

 新約聖書に登場する人物で、父は祭司ザカリヤ、母エリザベツから生まれました。ヨハネは、人々に救世主を受け入れる備えをさせるために遣わされており(ヨハネ1章19〜27節)、アロンの持つ神の権能を所持してイエス・キリストバプテスマを施しています。旧約聖書の預言者イザヤをはじめ、他の預言者たちはヨハネについて預言し(イザヤ40章3節、マラキ3章1節)、イエスの母マリヤに現れた天使ガブリエルは、父ザカリヤにヨハネの誕生と働きについて伝えました(ルカ1章5〜25節)。この天使による宣言によってヨハネはナジル人としての性向が強いので、ナジル人ではないかと推測される場合もあります(民数記第6章1〜21節

 イエスは、バプテスマのヨハネは偉大な預言者であると教え(ルカ7章14〜28節)、ヨハネはイエスを神の子であると証をして(ヨハネ1章29〜34節)、弟子たちはイエスの弟子となっています(ヨハネ1章25〜29節、35〜42節、使徒1章21〜22節)。ヨハネ自身はなんのしるしも行わず(ヨハネ10章41節)、ヘロデに忠告をしたために牢獄に入れられ、妻ヘロデヤにそそのかされた娘サロメの要求によって首を切られて死にました(マタイ14章3〜12節、マルコ6章17〜29節)。ヨハネは自分やモーセの持っていた、バプテスマを施すのに必要な神の権能を回復するために、近代に現れています。

ヨブ記

ヨラム(イスラエル)

 紀元前852〜841年の12年間に、兄弟アハジヤに代わってサマリヤで統治したイスラエルの王です(列王下3章1節)。イスラエル王国の王アハブが死んだ後に背いたモアブの王メシャを相手に、ユダ王国のヨシャパテと同盟を組んで、預言者エリヤの弟子エリシャの助言で勝利を得ました(列王下3章4〜27節)。ヨラムは父アハブの家来であるエヒウによって殺され、預言者エリシャたちによってエヒウは油を注がれて王となりました(列王下9章1〜13節)。(イスラエル王国とユダ王国の統治者

ヨラム(ユダ)

 紀元前848〜841年の8年間に、父ヨシャパテに代わってユダ王国エルサレムで32歳の時に統治を始めた王で、イスラエル王国も治めました(列王下8章16〜24節)。ヨラムはイスラエルの邪悪な王アハブの娘を嫁にして、ユダの国民を惑わす悪行をしたために惜しむ人もなく、ダビデの墓にも入れてもらえませんでした(歴代志下21章)。ヨラムが死んだ後は息子アハジヤが王となっています(歴代志下22章1節)。(イスラエル王国とユダ王国の統治者ユダ王国歴代統治者

ヨルダン川

 ガリラヤ湖から死海に向かって流れている川で、ヘルモン山からの幾つかの湧き水を集めており、約160キロの長さがあって、イスラエルで最も重要な川です。この川にまつわる出来事として、イスラエルの民のために神が川の水をせき止めたことや(ヨシュア3章14〜17節)、イエス・キリストバプテスマ(マタイ3章13〜17節)などがあります。



inserted by FC2 system