聖書用語「か」行






聖書用語「か」



ガアシ山

 旧約聖書のヨシュア記に出てくる山で、彼は110歳で死に、この山の北にある自分の嗣業の地テムナテ・セラに埋葬されました(ヨシュア24章29〜30節)。

会見の幕屋

 預言者モーセが、に伺いを立てるために人々に提供した、神殿としての機能がある幕屋です(出エジプト第33章7節)。またヨシュアの時代にも受け継ぎの地カナンを占領し終わってから、以前にモーセが作った会見の幕屋をシロに建てています(ヨシュア18章1節)。

カイザル

 新約聖書に出てくる称号で、幾人かのローマ帝国皇帝はこの称号で呼ばれてました。聖書では、世俗的な支配や権威の象徴として用いられています。カイザルのものはカイザルに返しなさい(マタイ22章21節)。

カイナン

 旧約聖書に登場する人物で、エノスが90歳のときに生んだ息子です。カイナンは70歳になってマハラレルを生み910歳で死んでいます(創世5章12〜14節)。

カイン

 アダムエバの息子で、弟アベルを殺して最初の殺人者となっています。

 「主はカインの供え物を顧みられなかった(創世記第4章3節、モーセ第5章5〜8節、18〜26節)。」 「弟アベルを殺した(創世記4章4〜8節〜26節、モーセ第5章32〜37節)。」 「主はカインにしるしをつけられた(創世記第4章15節、モーセ第5章37〜41節)。」 「アダムとエバは、彼が生まれる前にも多くの息子、娘をもうけていた(モーセ第5章13、18節)。」 「サタンと邪悪な誓いを立てた(モーセ第5章29〜31節)。」

ガザ

 ペリシテ人(パレスチナ)にある町の一つです。イスラエルの士師サムソンがここに投獄されています(士師記16章21節)

ガド
 旧約聖書中の人物で、ヤコブレアのつかえめジルパの間にうまれた6番目の息子です(創世記30章10〜11節)。彼の子孫はイスラエルの一つの部族となりました。
ガドの部族
 ヤコブはガドに祝福をしています(創世記49章19節)。モーセも彼に祝福を与えており(申命記33章20〜21節)これらの祝福によると、ガドの子孫は好戦的な民になるとなっています。ガドの子孫はモンゴロイドとも言われており、世界史の中でもかなりの戦争を引き起こし、日本人もその中に数えられています。「帝」という日本語はヘブライ語で、「ミ・ガド」という語になり、ガド族出身の者という意味になります。このことから、現在の天皇家は代々「ガド族」の可能性が高いとする説があり、そこでは第2次大戦後に天皇家が存続したのも、ヤコブの祝福に関係があるのではと考えられています。

ガド(聖見者)

 旧約の預言者で、ダビデの忠実な友であり助言者でした(サムエル上22章5節、サムエル下24章11〜19節)。彼が書いたダビデの事績の書は失われた聖典の1つとなっています(歴代志上29章29節)。関連聖句はサムエル上10章25節

カデシ・バルネア

 エジプトを脱出したモーセ率いるイスラエルの民が、40年もの放浪の末、受け継ぎの地を偵察するために一時とどまった場所です。ネゲブの地の南西、シナイ半島北部に位置しており、ここからヨシュアカレブカナンの地へ偵察に向かいました(申命記第2章7、14節)。

ガテ

 ペリシテ人(パレスチナ)にある町の一つです。ダビデが倒した巨人ゴリアテはガテ出身です(サムエル上第17章4〜7節)。

ガデ

 旧約聖書、歴代志上の人物で神から先見者として召されていました(21章9節)。この時ダビデサタンの誘惑により罪を犯し、その罰をガデを通して言い渡され、イスラエル人の内7万人が疫病で死んでいます。塩の海の中ほどから西方に直線距離で90`ほどの所に位置しています。

カナン、カナン人

 旧約聖書中の人物で、ノアの息子ハムの4男です(創世記9章22節、10章1,6節)。カナン人とは、カナンが最初に住んだ地にいた人、及びカナンの子孫を指しています。パレスチナの地中海沿岸の低地に住んでいた民もカナン人と呼ばれており、ギリシャ人がフェニキア人と呼んでいた、ヨルダン川の西方の地域に住むイスラエル以外の全ての民を指して用いられたこともあります。(出エジプト第23章20〜31節、申命記第7章1〜5節

貨幣制度

 ダビデエゼキエルも衡量単位を統一しようとしましたが、完全な統一には至りませんでした。こうした状況を悪用して自分の利益を上げようとして、2組の分銅を持っている者がいました。このような不正に対抗するために、財布や袋の中に自分の分銅を入れて携帯するのが普通となっています。これほどまでに徹底しなければ不正を防ぐのは難しく、イスラエル人の霊的な低さを物語る事態に預言者たちは強く非難の声をあげました。銀貨の単位名は、銀の秤量の単位名と同じです。初めはこれらの銀を物々交換の手段として用いられていましたが、次第に貨幣して広く通用するようになりました。旧約時代と新約時代では貨幣制度が違っていますが、はっきり区別されていたわけではなく、新約の時代でも旧約の貨幣単位が使用されていたようです。

 旧約時代では、10ゲラ=1ペカ、2ペカ=1シケル、50シケル=1ミナ、60ミナ=1タラントで、金貨1タラントは銀貨20タラントに相当し、重さも同じで1タラントとは約30kgです。
 新約時代では、2レプタ=1コドラント、4コドラント=1アサリオン、10アサリオン=1デナリとなっており、デナリ銀貨にはローマ皇帝の像が刻まれています。

カペナウム

 イエスナザレでの拒絶の後に「自分の町」とした場所です(マタイ9章1節)。イエスはここで幾つか大切な説教をしていますが、特筆すべきものに「命のパン」の話があります。場所はガリラヤの海の北部に位置しています。

ガブリエル

 ダニエルや(ダニエル8章16節、9章21節)、バプテスマのヨハネの父祭司ザカリヤ(ルカ1章11〜19節)、イエス・キリストの母マリア(ルカ1章26〜28節)に現れた天使です。近代では人間ノアとなる前の天使であったとする預言があります。

 ダニエルは示現の中で天使ガブリエルを見た(ダニエル8章15〜16節)。天使ガブリエルが神から遣わされた(ルカ1章19節、26〜27節)。

ガマリエル

 新約聖書中の人物で、著名なパリサイ人としてユダヤの律法に通じ、それを人々に教えていました。使徒パウロは彼の下で学んでいます(使徒22章3節)。彼はサンヒドリンで非常に影響力のある人物だったようです。

 聖書学上で一般的に「神」と呼ばれる称号を使われる対象は、人の霊の父、御父のことです(民数記16章22節、27章16節、マラキ2章10節、マタイ6章9節、エペソ4章6節、へブル12章9節)。神と呼ばれる存在は、「父なる神Elohim(エロヒム)、単数形ではEloah(エロア)」、「子なる神イエス・キリスト、Yahweh(ヤハウェ)、または誤読された読みのJohovah(エホバ)」、「聖霊なる神」の3つの神があってそれぞれ独立した神となっています。このHPは旧約聖書の神を、子なる神イエス・キリストとする説を元にしています。


父なる神Elohim(エロヒム)
 父なる神は宇宙の至高の統治者で、全能(創世記18章14節)、全知(マタイ6章8節)であり御霊を通して偏在しています(詩篇139篇7〜12節)。人類は他のどの被造物とも異なり、男女を問わず神の子供として特別な関係にあります(詩篇82篇6節、1ヨハネ3章1〜3節)。聖書中で「主なる神」と表記される場合の多くは、この「父なる神」を指しており、姿を現して人に語りかけたことを示す記録が幾つかあります。アダムとエバに語りかけた(モーセ4章14〜31節)、イエス・キリストを弟子に幾度か紹介したこと(マタイ3章17節、17章5節、ヨハネ12章28〜29節、真鍮版3ニーファイ11章3〜7節)が記されています。また新約聖書のステパノや(使徒7章55〜56節)、真鍮版を翻訳し教会を回復したジョセフ・スミスとシドニー・リグドンの2人(教義76章20,23節)に姿を現しています。時として神は、神を愛して自らを清める人に、その姿を見せて神の実在を自分自身で知る特権を与えることがあります(マタイ5章8節、真鍮版3ニーファイ12章8節、教義76章116〜118節、93章1節)。

 わが神、わが神(マルコ15章34節)。この人たちは、いと高き神の僕たちで(使徒16章17節)。われわれは神の子孫なのである(使徒17章28〜29節)。エノクは神が造られた霊たちを見た(モーセ6章36節)。聖なる人とは神の名である(モーセ6章57節)。

カヤパ

 新約聖書中の人物で、アンナスの義理の息子で大祭司でした。カヤパはイエスとその弟子たちに対立する立場を取っており、そのための積極的な行動を起しています(マタイ26章3〜4節、ヨハネ11章47〜51節、18章13〜14節)。

からし種

 からしの木の一種で、種は非常に小さいものですが、それから成長する木の丈は非常に高くなります。イエスは天の王国をからし種にたとえました(マタイ13章31節)。

ガラテヤ人への手紙

仮庵の祭

 贖罪の日の5日後、ヘブライ暦7月にあたるチスリの月の15日に行われています。現在の9月末から10月初めにあたります

刈り入れ

 この言葉は聖典の中で、地上における神の王国である教会に人々を導くことや、あるいはイエス・キリストの再臨などの裁きの時を指して、象徴的に用いられます。刈り入れの時は過ぎ、夏もはや終わった、しかしわれわれはまだ救われない(エレミヤ3章20節)。収穫は多いが、働き人が少ない(マタイ9章37節)。収穫とは世の終わりのことである(マタイ13章39節)。人は自分のまいたものを、刈り取ることになる(ガラテヤ6章7〜9節)。

ガリラヤ

 ヨルダン川とガリラヤの海の西に当たるイスラエル最北の地で、南北約95`、東西約50`の広がりを持つ地域です。古代ガリラヤには、イスラエルで最も肥沃な土地と繁華な町が含まれていました。また、ダマスコエジプト、イスラエル東部へ続く要路がガリラヤを通過しており、恵まれた気候と肥沃な土壌で、オリーブ、小麦、大麦、ぶどうを多く産出しました。ガリラヤの海での漁獲は多大な輸出をもたらしており、人々はそれから多くの富を得ています。キリストはその生涯の多くをガリラヤで過ごしていました。参考聖句は、イザヤ9章1〜3節、マタイ4章23節、マルコ14章28節、ヨハネ21章1〜14節、ヨハネ2章11節、ルカ4章14節。

ガリラヤの海

 ガリラヤの海は北部イスラエルに位置しており、旧約聖書では「キンネテレの海」、新約聖書では「ゲネサレ湖、テベリヤ海」とも呼ばれています。イエスは幾度かここで教えを説いています(マタイ13章2節)。この海は西洋梨の形をしており、南北20`、東西の幅は広い所で12`あります。海面は地中海よりも200mほど低く、そのために周辺の気温が非常に高くなることがよくあり、丘陵部から吹き下る冷気が湖面上の暖気とぶつかり、突然の嵐となることも多い場所です(ルカ8章22〜24節)。

カルデヤ(カルデア)

 古代に存在したバビロニア南部のチグリス川ユーフラテス川下流域の国家で一般にバビロニアとも呼ばれます。カルデヤ王国とは新バビロニア王国とも呼ばれ、紀元前625年頃に小アジア、メソポタミアに建設され、紀元前539年頃ペルシアに滅ぼされました。「カルデヤ」という名は新バビロニアのときからではなく、古くはアブラハムの時代から使われている名で、一般にチグリス、ユーフラテス川南部の地名として使われてきています(創世記11章31節)。(イザヤ第13章19〜22節

カルメル山

(列王記上第18章19節

カレブ

 旧約聖書に登場する人物で、エジプトを出てから2年目に、カナンの地を探るためにモーセによって遣わされた人々のうちの1人です。カレブとヨシュアだけが、カナンの地についての真実の報告をしています(民数13章6,30節、14章6〜38節)。この時カレブは40歳でした(ヨシュア14章7節)。エジプトを出た者のうち、荒野での40年を生き延びて(民数26章65節、32章12節、申命1章36節)、カナンに入ったのはこの2人だけです(ヨシュア14章6〜14節、15章13〜19節)。85歳の時にヨシュアから祝福を受けて、ヘブロンを嗣業の地として与えられました(ヨシュア14章10〜15節、15章13〜14節、士師記1章20節)

姦淫

 男女の不法な性の交わりや、同性愛などのことを意味しています。姦淫という言葉は、一般には既婚者が配偶者以外の者と性交渉を持つことをいいますが、聖典では未婚者についてもこの言葉が用いられます。姦淫は個人に対してだけでなく、時として一つの国家や民族全体が神の道から背き去ることの象徴としても使われます(エゼキエル第16章30〜34節)。

 ヨセフはこの大きな悪を行わず、神に対して罪を犯さなかった(創世記39章7〜12節)。あなたは姦淫してはならない(出エジプト20章14節)。情欲を抱いて女を見る者は、心の中ですでに姦淫をしたのである(マタイ5章28節)。不品行な者や姦淫をする者は、神の王国を受け継ぐことはない(1コリント6章9〜10節)。神は不品行な者や姦淫をする者をさばかれる(へブル13章4節)。

カンビュセス(カンビュセス2世)

 紀元前530〜522年頃ペルシアの初代国王クロス(クロス2世)の後にペルシアを統治した人物です。紀元前525年頃にエジプトを征服しました。(ハガイ書序文






聖書用語「き」



キウン

 イスラエルの民が背教していたときに拝んでいた異教の星の神の名です(アモス第5章26節)。

帰還

 アッシリアバビロニアに捕囚されて行った人々は、その後数回にわけてユダの地に帰って来ています。その多くはユダやベニヤミンの部族で、イスラエル北王国の捕囚された人々のほとんどはさらに北の地へ移住しました。最初に帰還したのは、ペルシャ王ダリヨスの時代にユダの総督セシバザルに連れられてきた、ゼルバベルを部族長に49897人が帰ってきました(エズラ2章64〜65節)。第2回目はペルシャ王アルタシャスタ1世の治世にエズラに同行してきた1757人です(エズラ8章1〜20節)。

紀元

 現代世界の年号はある程度統一されており、イエス・キリストの誕生を境にして前後に分けた表記を「紀元」、「紀元前」などといいます。キリスト誕生前は「Before Christ」または「British Columba」のBとCをとって 「B.C」 と記し、キリスト誕生後はラテン語で「Anno Domini」のAとDをとり 「A.D」 と記してそれぞれ、紀元前(B.C)、紀元(A.D)と表されます。

儀式

 キリスト教が行う儀式には幾つかの種類があります。キリストによって回復された教会の会員として認められるに必要な儀式には、水に沈められるバプテスマ、その後に聖霊の賜物を授かる按手があります。日曜日の安息日では、パンと水の聖餐の儀式などがあり、この他に神殿で執り行う死者のためのバプテスマや、幼児の祝福、教会の活動や儀式を執り行う際に必要な神の権能の授与、病人への癒しがあります。祭司が行う儀式と、大祭司が行う儀式は分けられています。

キション川

 旧約聖書士師記に記されている、女予言者デボラとアビノアムの子バラクが、カナンの王の軍勢と戦った場所です(士師記第4章6〜24節第5章21節)。

義人に及ぶ災難

 ヨブ記、エゼキエル第20章45〜48節、エゼキエル第21章3〜4節

奇跡

 神の力によって起こる驚くべき現象や出来事、人知を遥かに超えた自然現象のことを奇跡と呼びます。奇跡はイエス・キリストの業の中で大切な要素です。これには、癒しや死者の蘇生、復活などが含まれ、奇跡はキリストの福音の一部であると言われます。そのため、奇跡が現れるためには、信仰が必要となります(マルコ6章5〜6節)。聖書には多くの奇跡が記録されています。

 「パロがあなたがたに、「不思議を行って証拠を示せ」と言う時(出エジプト7章9節)」 「だれでもわたしの名で力あるわざを行いながら、すぐそのあとで、わたしをそしることはできない(マルコ9章39節)」 「ガリラヤのカナはイエスが最初の奇跡を行った場所である(ヨハネ2章11節)」

キッテム

旧約聖書中の人物、ヤペテの子ヤワンの3男です(創世記第10章歴代上1章5節)。

ギデオン

 旧約聖書に記されている、イスラエルをミデアン人から救い出したマナセ族出身の指導者(士師)です(士師6章11〜40節、7〜8章)。彼はバアルの祭壇を壊し、アシラ像を倒したことによって「バアルに言い争わせよ」という意味の、「エルバアル」という名を付けられました。

ギホン

 創世記第1章13節に出てくる、エデンの園から流れる第2の川の名前です。クシの全地をめぐるものと言われています。

キュビト

 ヘブライ人が一般に用いた長さの単位で、肘から手の中指の先までの450ミリのことをいっていました。神聖キュビトは520ミリとなっています。(創世記第6章14〜16節、列王上6章2節)

教会

 バプテスマと確認によってイエス・キリストの名を受けた信者の組織です。神の教会であることの欠かせない条件には、使徒預言者が存在すること(エペソ4章11〜16節)、キリストが教会の頭であること(エペソ5章23節)、神の権能、教え、律法、儀式、御名を持ち、神から任命された代表者を通じて、神によって治められていることが挙げられます。

 主は、救われる者を日々仲間に加えられて下さった(使徒2章47節)。わたしたちも数は多いが、キリストにあって一つのからだであり(ローマ12章5節)。わたしたちは皆、一つの御霊のよって、一つのからだとなるようにバプテスマを受け(1コリント12章13節)。教会は使徒たちや預言者たちという土台の上に建てられる(エペソ2章19〜20節)。


悪魔の教会
 純粋で完全な福音をねじ曲げて、神の子羊やその教会に戦いを挑む、この世のすべての邪悪で世俗的な組織を指します。

挙祭

 モーセが神に授かった律法の中の儀式です。燔祭や酬恩祭のときに行われるもので、犠牲の動物を妻子に渡す際にその動物の右ももを持ち上げるといった儀式です。儀式の内容は、神やその独り子に対する感謝だけではなく、神を覚えて仕えるといったことも含まれています。(モーセの律法の犠牲とささげ物挙祭

巨人

 聖書には普通の人よりはるかに大きい「ネピリム」という人が存在していたことが記されています(創世記6章4節10章8〜9節、民数記13章33節、サムエル上17章4〜7節、歴代志上20章4〜8節、モーセ7章15節8章18節)。

キリアテ・アルバ

カナンの地ヘブロンにあるアブラハムの妻サラが葬られた場所です(創世記第23章1〜2節)。

キリオン

 旧約聖書ルツ記に登場する人物ナオミとエリメレクの子供です。モアブ人のオルパを妻にし、モアブの地で死んでいます(ルツ記1章1〜5節)。

ギリシア(ギリシャ)

 ペロポネソス半島の南端およびエーゲ海地域を中心とする古代文明の発祥地です。一般には紀元前2500年頃から石器、青銅器文明が発達し、紀元前8〜9世紀頃アテナイ、スパルタなど多数の都市国家が成立しましたが、紀元前4世紀マケドニアに併合されたと言われています。現在のギリシアはヨーロッパ南部、バルカン半島の南端部およびエーゲ海の島々からなり、アテネを首都とする「ギリシア共和国」となっています。1829年、オスマントルコから独立して王国となり、1924年共和国となって73年王制を廃し35年王制を復活させて共和国となる。船舶保有量では世界屈指の海運国です。古代名はヤワンといって、古代の族長ヤペテの息子の名と関係があります(エゼキエル書第27章5,10,13〜14、16節)。

ギリシア(ギリシャ)語

 インド・ヨーロッパ語族の一語派で、普通、紀元前4世紀頃までの古代ギリシア語のことをいいます。複雑な語形変化があり、また特に母音について、インド・ヨーロッパ共通基語の姿をよく残しています。紀元前4世紀後半以後、コイネーと呼ばれる共通語の時代を経て現代ギリシア語に至っており、現在はバルカン半島、エーゲ海諸島、イオニア海諸島、イスタンブールとその付近などで話されています。

ギリシア(ギリシャ)神話

 古代ギリシア民族の神話です。ギリシア本土およびミノア、ミケナイ、北トラキアなどの神話・伝説で、主神ゼウスほかオリンポスの神々や、英雄をはじめとする人間との物語となっています。「イーリアス」「オデュッセイア」などのほか、多くの詩や戯曲として残されており、ギリシア文化の骨格を形成し、ヨーロッパの美術や文芸の源泉となりました。

ギルガシびと

 古代のカナンの地に住んでいた民族です。(創世記第10章、申命記第7章1〜5節

ギルガル

 死海の北方、エリコの北にある町です。預言者エリシャはここで毒を無毒にする奇跡を行っています(列王記下第4章18〜44節)。

ギレアデ

 ヨルダン川東岸に広がる、ヤルムク川より南の土地の名です。この地域には、ラモテ・ギレアデ、ヤベシ・ギレアデ、ミズパ・ギレアデ、テシベ、スコテ、ペヌエルがあります。現在のヨルダン・ハシミテ王国の首都アンマンの北西方向にあたり、北はシリア・アラブ共和国との国境に接しています

ギレアデの乳香

 芳香性の樹脂または香料で、傷を癒すために用いられました(創世記43章11節、エレミヤ第8章22節、46章11節、51章8節)。旧約聖書の時代に乳香の原料となる樹脂を分泌する木がギレアデで特によく生育したため、「ギレアデの乳香」として知られるようになっています(創世記37章25節、エゼキエル27章17節)。

欽定訳聖書

 1611年に英国王ジェームズ1世の命によって翻訳編集された英訳聖書です。King James VersionまたはAuthorized Versionはジェームズ1世の最大の功績と言われるものです。当時は聖書の標準訳が求められるようになり、その作成が1604年のハムプトン宮廷会議で推進、採択されました。1607年、公正、中立を旨とし、54名(実際には47名による)の学者、教職の手により、ロンドン、オックスフォード、ケンブリッジで分担翻訳が着手され、1611年に印刷が完成しました。この訳は堂々たる用語、荘厳なリズム、美しい語句法などで知られており、その翻訳は高い評価を受けてきたので、これ以後270年間は改訂されずに存続しています。また欽定訳聖書はティンダル訳聖書からの影響を大きく受けています。






聖書用語「く」



悔い改め

 悔い改めとは、神の戒めと望みに従って、罪を認めてそれを捨て、邪悪なことから遠ざかって自分の心と思いを神に向けることです。真の悔い改めは、神への愛と、神の戒めに従いたいという心からの望みと結果として生じるものです。自分の行いに責任の取れる人は、たとえ神に直接まみえて祝福を受けた人でも、人である限り大小程度はあってもだれであれ罪を犯しながらの生活を送っています。従って、この世からの救いに向かって成長するためには、犯した罪を認めて行いを修正する必要があり、これが聖書の最も重要な教義となっています。

 悔い改めはイエス・キリスト贖罪によってのみ有効なもので、この名以外に神に受け入れられる救いをもたらす存在はないとされています。

 「主にざんげして(エズラ記10章11節)」 「あなたがたの悪い行いを除き、悪を行う事をやめ(イザヤ書1章16節)」 「悔い改めてあなたがたのすべてのとがを離れよ(エゼキエル18章30〜31節)」 「悔い改めよ、天国は近づいた(マタイ3章2節)」 「罪人がひとりでも悔い改めるなら、よろこびが、天にあるであろう(ルカ15章7節)」 「神はみな悔い改めなければならないことを命じておられる(使徒行伝17章30節)」

偶像崇拝

 偶像を礼拝の対象にすること。あるいは、何かに過度に愛着を抱いたり、心を奪われたりすることを言います。

空中庭園

 世界の七不思議の一つに数えられている、バビロニアの王ネブカデネザルが王妃アミュティスにために造った庭園です(バビロニアとユダの征服・栄華の象徴)。

苦難

 ヨブ記 第13章7〜28節

グノーシス派

クプロ(キプロス)

 現在のキプロスに当たる町で、地中海東端にある3番目に大きな島です(イザヤ第23章1節)。

クリスチャン

 イエス・キリストを信じる人々に着けられた呼び名です。この言葉は全世界的に広く用いられていますが、キリストに心から従う人々を聖徒と呼ばれています(使徒9章13,32,41節、第1コリント1章2節)。キリストの弟子たちはクリスチャンと呼ばれており(使徒11章26節)、クリスチャンとして苦しみを受けるのであれば、恥じることはないと書かれてあります(第1ペテロ4章16節)。

クラディウス(クラウディオ)

 新訳時代のローマ皇帝で、クラディウスの治世下にユダヤに飢饉がありました(使徒11章28節)。彼はユダヤ人ローマから追放しており、パウロが伝道をしていた時期の大半はクラディウス治世中のことです。

クロス(クロス2世)

 紀元前559〜530年頃に統治した古代ペルシャの王です。旧約聖書中の歴代志下(36章22節)、エズラ記(1章1節)、イザヤ書(第44章21節〜第45章14節)、ダニエル書(10章1節)などに記されています。彼はユダヤ人に神殿再建のためのエルサレム帰還を許し、バビロニア補囚を部分的に終結させて、イザヤの預言を成就させました(歴代下36章22〜23節、イザヤ44章28節、45章1節)。イザヤの預言は、この王が帰還を許可する約180年前にされており、エズラ記にも詳しい記述があります。クロス王の時代に、ユダヤ州の知事セシバザルユダベニヤミンの部族の一部を率いてユダの地に帰還しています(エズラ1〜2章、5章14〜16節)。クロスの後にカンビュセス(カンビュセス2世)が王となりました。






聖書用語「け」



啓示

 が地上の神の子らである人間に神の意志を示すことです。啓示はイエス・キリストの光や聖霊を通して、霊感や示現、夢、天使の訪れなどの方法によって授けられます。啓示は忠実な人を、最高の祝福と言われる日の光栄において、永遠の救いに導く助けを与えます。神はその業を預言者に明らかにして、また信じる人々に対して、預言者への啓示が真実であるとの確認を与えてくれます(アモス3章7節)。導きを求めて、信仰を持ち、悔い改めてキリストの福音に従う全ての人に、神は啓示を通して個人的な導きを与えています。しかしながら、聖霊は啓示者であり、だれも啓示を受けずに聖霊を授かることはありません。

 神の教会の預言者を含む3人の会とそれらを含む十二使徒の会は、教会と世に対する預言者、聖見者、啓示者です。教会の預言者は、教会のために啓示を受けるように神から権能を託された唯一の人です。それとは別にそれぞれの人は、皆自分自身のために個人的な啓示を受けることができます。

契約の箱(アーク)

 預言者モーセによって作られた、エホバの箱、証の箱としても知られているこの契約の箱は、長方形の木箱で金で覆われており、この箱はイスラエル人の宗教上の象徴の中で最も古くかつ神聖なものです。ふたの部分に当たる贖罪所は、エホバが地上で住む所と見なされていました(出エジプト25章22節)。契約の箱は幕屋が完成するとその中の最も神聖な所である至聖所に置かれています(列王上8章1〜8節)。この箱の中には、マナの入った金のつぼ、芽を出したアロンの杖(民数記17章1〜10節)、十戒が記された石板などが入っていました(へブル9章4節)。またノアの箱船を指して「アーク」と呼ぶこともあります。

 「モーセは神の戒めにより箱を造った(出エジプト記25章)。」 「レビの子らは契約の箱を守る責任を与えた。(民数記3章15、31節)」 「コハテの子たちの会見の努め。(民数記4章4〜15節)」 「契約の箱は、彼らに先立って行き(民数記10章33節)」 「この律法の書をとって、契約の箱のかたわらに置きなさい。(申命記31章24〜26節)」 「ヨルダンの水は契約の箱の前で流れをせきとめられた。(ヨシュア記3章13〜17節、第4章1〜7節)」 「祭司たちはエリコを征服するときに契約の箱をかついだ。(ヨシュア第6章6〜20節)」 「ぺリシテ人が神の箱を奪った。(サムエル記上第5章)」 「主は、神の箱のゆえにオベテエドムの家を祝福された。(サムエル記下第6章11〜12節)」 「ウザは戒めに従わず手を伸べて箱を押さえたため、主に撃たれた。(サムエル下第6章6〜8節、歴代志上第13章9〜12節)」 「たって主なる神の聖所を建て、契約の箱を携え入れなさい。(歴代志上第22章19節)」 「契約の箱の中に納められていたものについて述べられる。(ヘブル人第9章4節)」

ケダル

イシマエルの12人の息子の中のひとりで、村と宿営の名にもなっています(創世記25章13〜16節)。

ケダル

 ケダルはヘルモン山の東にある地域で、その中にはバシャンと呼ばれる地域も含まれています(イザヤ第21章1〜7節)。創世記25章16節によると、村と宿営の名であることが記されているので、イシマエルの子らの名前から名付けたとも考えられます。

ゲダリヤ

 ユダの民がバビロンに捕らえ移された後に、バビロンの王ネブカデネザルからユダの地において残った民の総督として任命された人物です。父は預言者エレミヤを助けたアヒカム、祖父はシャパンです(エレミヤ38章14節)。ユダ王家出身のイシマエルによって暗殺されました(列王記下第25章18〜26節、エレミヤ第29章、第40章、第41章1〜3節)。

ゲッセマネ

 新約聖書の中の地名で、オリブ山近くの園の名前です。アラム語でゲッセマネとは「オリーブしぼり」の意味があります。イエスは、ユダが裏切った夜にこの園へ行き、そこで祈って人類のために苦しみを受けました(マタイ26章36、39節、マルコ14章32節、ヨハネ18章1節)。

ケデマ

イシマエルの12人の息子の中のひとりです。

ゲテル

旧約聖書中の人物で、ノアの次男セムの8男です。

ケトラ

 旧約聖書の族長アブラハムの妻サラが死んだ後にアブラハムが新たに娶った妻で、ジムラン、ヨクシャン、メダン、ミデアン、イシバク、シュワが生まれています(創世記25章1〜3節)。このうちミデヤンは、モーセの妻チッポラの父エテロの祖先となっています(出エジプト第2章18節

ゲネサレの野

 ガリラヤの海の北西沿岸にある肥沃な平原で、多くの病人がイエスの衣に触わって癒されています(マタイ14章34〜36節)。

ゲハジ

 旧約聖書中の人物で、エリシャの弟子です(列王記下第4章8〜17節)。彼は、エリシャがナアマンライ病を治したときに受け取らなかった謝礼を、ナアマンから偽りを言ってそれ受けましたが、その悪事ゆえに自分がライ病にかかってしまいました。(列王記下5章20〜27節)

ゲヘナ(ベン・ヒンノム)

 「永遠の懲罰の場所」または「死後の懲罰の場所」という意味を持つヘブライ語です。この場所はトペテと同じく、バールモレクといった邪神への人間の子どもをいけにえをささげた所となっています。「ゲヘナ」はギリシャ語ではないので、旧約のギリシア語訳では使用されていないと言われています。2つのヘブライ語「ge」と「hinnom」が結合してできた言葉で、「ヒンノムの谷」を意味しています。

ケモシ

ゲラ

 旧約時代の貨幣制度の単位です。10ゲラで1べカ、20ゲラで1シケルとなります(出エジプト30章13節、民数記3章47節)。

ゲリジム山

 預言者モーセが、イスラエルに対する祝福とのろいを象徴するために指名した、カナンの中央部にある山です。祝福の象徴はゲリジム山に、のろいの象徴はエバル山に指名されました。古代の町シケム、現在のナブルスはエバル山とゲリジム山の間にあります(申命記第11章29節)。祭司ヨイアダの子孫がエルサレムに代わってサマリヤ人のために聖なる場所とした標高881mの山です(ネヘミヤ13章28〜31節、申命記27章12節、ヨハネ4章19〜22節)。

ゲルショム

 旧約聖書の預言者モーセと母チッポラの間に生まれた男の子です(出エジプト2章22節)。(出エジプト第4章24〜26節

ケルビム

 聖書における天上の生き物、あるいは天使の象徴ですが、正確な姿は知られていません。ケルビムは神聖な場所を守る召しを与えられています。ケルビムとは単数形である「ケルプ」の複数形です(出エジプト37章7節)。

 「神はケルビムを置いて、命の木の道を守らせていた(創世記3章24節)。」 「贖罪所の上には象徴であるケルビムが置かれた(出エジプト記25章18節、列王紀上6章23〜28節、ヘブル9章5節)。」 「エゼキエルが受けた示現の中で、ケルビムについて語られている。(エゼキエル9章3節、10章第10章1節、11章22節)。」。

ケレテ人

 パレスチナ南方のペリシテ人のそばに定住していた民です。ダビデが迫害を受けた時にダビデに協力し、ソロモンが油をそそがれて王になった時にもその場に居合わせており、ヘブライ人との関わりを多くもった異国の民です(列王記上1章38節)。「クレタびと」とも呼ばれます(エゼキエル第25章16節)。

愆祭

 モーセが神に授かった律法の中の儀式です。罪祭よりも、他人に対してより罪深い行為を行った人が悔い改めと共に行うものです。(モーセの律法の犠牲とささげ物愆祭)。






聖書用語「こ」



紅海

 アフリカ大陸のエジプトとアラビア半島のサウジアラビアの間にある海で、北部はシナイ半島に沿って2つに別れて接しています。シナイ半島西側はスエズ運河を通じて地中海につながり、シナイ半島東側はアカバ湾と呼ばれ、イスラエルとヨルダンの国境に接しています。モーセに導かれたイスラエル人が乾いた地を通って行けるように、神の奇跡によって紅海の水が分けられるという壮大な出来事がありました(出エジプト14章13〜31節、ヘブル11章29節)。

ゴグ

 マゴクの王のことであり、預言者エゼキエルイエス・キリストの再臨の時にゴグがイスラエルを攻めると預言しています(エゼキエル38章2〜6節)。また、ゴグとマゴグの戦いと呼ばれる別の戦いが福千年後に起こると言われています(黙示録20章7〜9節)。

五旬節

 モーセの律法の一部として、過越の祭の50日後に行われた初穂の祭です(レビ23章16節)。五旬節とは収穫を祝うためのものであり、旧約聖書では刈入れの祭あるいは七週の祭とも呼ばれています。新約の時代になって、五旬節が祝われていたときにエルサレムの使徒たちが聖霊に満たされて異言を語ったので(使徒行伝第2章)、この日を「聖霊降誕日」とも呼びます。(聖書における祝いと祈り

コドラント

 新約時代の貨幣制度の単位で、2レプタが1コドラント、4コドラントが1アサリオンとなります(マタイ5章26節、マルコ12章42節)。

コニヤ

 権力の象徴または宝石として使用された印章付きの指輪です。預言者エレミヤはユダの王エホヤキンをこの指輪にたとえて預言しました(エレミヤ第22章24〜30節)。

ゴメル(ヤペテ)

旧約聖書中の人物でヤペテの長男です。ゴメルの子らは、アシケナズ、デパテ、トガルマがいます。

ゴメル

ゴモラ

 旧約聖書に出てくる町で、ソドムと共にその邪悪さの故に神によって滅ぼされています。死海の底にあるとされています(創世記19章24節

ゴリアテ

 旧約聖書中の人物で、イスラエル軍に戦いを挑んだペリシテガテ出身の巨人です(サムエル上17章4〜7節)。ダビデはゴリアテの挑戦を受けて、神の助けにより彼を倒しています(サムエル上17章)。彼にはラミという兄弟がいました。この頃は巨人というのはそう珍しくもなかったようで、他にもシバイという巨人の子孫が記録されいます(歴代志上20章4節)。また巨人の多くは指の数が多く、両手足で24本ありました。

コリント

 ギリシア、ペロポネソス半島の基部にある、古代ギリシアの都市国家の一つで、紀元前7〜6世紀に海上貿易によりアテナイ、スパルタなどと並んで栄え、陶器製造の中心地となりました。ギリシア名はコリントス(Korinthos)です。キリストの弟子たちによって教会が建てられています。

コリント人への第一の手紙第二の手紙

ゴルゴタ

 アラム語で「されこうべ(骸骨)」という意味があるヘブライ語で、イエス・キリストが十字架につけられた場所です(マタイ27章33節、マルコ15章22節、ヨハネ19章17節)。

コルネリオ

 ペテロからバプテスマを受けたカイザリアの百卒長です(使徒10章)。ユダヤ教への改宗を経ずに教会に加わった最初の異邦人であったと考えられており、コルネリオとその家族のバプテスマは、異邦人への福音宣教の開始を告げるものです。この宣教を指導したのは、当時、地上における神の王国の鍵を持っていた(マタイ16章19節)、使徒の頭であるペテロです。

コロサイ人への手紙



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